セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療10

タイトル 肝P-91:

C型慢性肝炎患者に対するDirect Anti-viral Agents(DAAs)第1世代および第2世代プロテアーゼ阻害剤による3剤併用療法におけるQOL評価の検討

演者 野口 博人(済生会新潟第二病院・看護部)
共同演者 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科), 阿部 弘子(済生会新潟第二病院・看護部), 小山 富士子(済生会新潟第二病院・看護部), 中野 ともみ(済生会新潟第二病院・看護部), 植木 文(済生会新潟第二病院・看護部), 中山 陽子(済生会新潟第二病院・看護部), 長谷川 江梨名(済生会新潟第二病院・看護部), 鈴木 光幸(済生会新潟第二病院・薬剤部), 深澤 尚子(済生会新潟第二病院・栄養科), 丸山 由華(済生会新潟第二病院・事務部), 廣澤 宏(済生会新潟第二病院・臨床工学室), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・消化器内科)
抄録 【目的】Direct Anti-viral Agents (DAAs)である第1世代プロテアーゼ阻害剤Telaprevir(TVR)が使用可能となり, 難治性C型慢性肝炎に対する治療効果は飛躍的に向上した.その一方, 我々はこれまで3剤併用療法が2剤併用療法に比してSF-36によるQOL値全体が低下することを報告してきた.しかし,現在いくつかの第2世代のプロテアーゼ阻害剤が開発されている.今回,当院でのC型慢性肝炎患者に対するPegIFN/RBV/TVR3剤併用療法患者,および第2世代プロテアーゼ阻害剤Simeprevir(SMV)の第III相試験PegIFN/RBV/SMV3剤併用療法患者において,SF-36によるQOL評価を行いその経時的変動につき検討した.【方法】C型慢性肝炎患者に対し,TVR投与群31例(男/女=18/13,平均年齢63.3±8.7歳)とSMV投与群10例(男/女=3/7,平均年齢60.7±7.0歳)につき,包括的健康関連QOL尺度であるSF-36(国民標準値50)による経時的QOLを評価・比較した.【成績】TVR群,SMV群とも治療開始3ヶ月後にかけてSF-36値は全体的に低下傾向を認めたが,SMV群においては治療開始6ヶ月後には精神的・身体的な日常役割機能の平均値がいずれも47.0, 47.0へ改善し,TVR群では33.8, 31.3と低値のままであった.しかし, SMV群においては男性のみ治療開始1年後に心の健康が38.4と低値を示した.治療開始1年後の比較ではSMV群のSF-36値はすべての項目においてTVR群に比して高値であった.【結論】TVR群とSMV群では治療開始3ヶ月後にQOLに差を認めなかったが,SMV群では6ヶ月後にはSF-36の改善が認められたことから, SMVによる3剤併用療法はQOLに貢献できる可能性があることが示唆された.
索引用語 SF-36, 3剤併用療法