セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療11

タイトル 肝P-93:

C型肝炎を背景とした肝細胞癌治療後のインターフェロン療法 -全国赤十字病院肝疾患ネットワークによる調査結果-

演者 上甲 康二(松山赤十字病院・肝胆膵センター)
共同演者 後藤 亨(大森赤十字病院・消化器内科), 渡邊 洋(福岡赤十字病院・肝臓内科), 長谷部 千登美(旭川赤十字病院・消化器内科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院・消化器内科), 鶴田 正太郎(長崎原爆病院・消化器内科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院・消化器科)
抄録 【目的】肝細胞癌(HCC)に対する根治的治療後のC型肝炎に対してインターフェロン(IFN)が投与された症例について全国赤十字病院肝疾患ネットワークによる多施設共同研究を行い,再発までの期間や生存期間に影響を及ぼす因子の解析を行った.【方法】全国赤十字病院よりデータの提供が得られた69症例について,生存期間や1~3回目のHCC再発までの期間と,各種臨床データとの関連について検討した.検討項目として肝癌の数・大きさ・ステージ,肝癌治療後(IFN投与前)の腫瘍マーカー,肝癌治療法,IFN投与前の肝機能検査,IFNの治療効果(SVR),IFN治療後の肝機能検査・腫瘍マーカーを選択した.統計解析はカプランマイヤー法とコックス比例ハザード生存モデルで行った.【結果】初回再発までの期間を延長する因子は腫瘍の数とIFN治療後のAFP値で,HCCが2個以上の場合のハザード比(HR)は4.50で,IFN後にAFPが15ng/ml以上でのHRは2.99あった.SVRであることは1回目の再発抑制に寄与しなかった.IFN後2回目再発までの期間に影響を及ぼす因子はIFN治療前のAFP値のみが有意であり,HRは7.36であった.IFN後3回目再発までの因子に関しては有意な項目はなかった.次に生存期間に影響を及ぼす因子について検討した.こちらは一転して腫瘍因子の影響は少なく,IFN治療効果(SVR)やIFN治療後のALT値やAFP値が有意であった.これらを変数として多変量解析を行うとIFN後AFP値15以上がHRとしては11.55で最も高かった.【結論】HCC治療後のIFN療法について検討した結果,HCC再発までの期間に関しては腫瘍因子が強く影響し,また生存期間にはIFN治療効果やIFN治療後の肝機能や腫瘍マーカーが強く影響していることが明らかになった.
索引用語 C型肝炎, 肝細胞癌