セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療11 |
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タイトル | 肝P-96:C型肝炎関連肝細胞癌根治後の抗ウイルス療法導入,高齢あるいは再発症例に関しての検討 |
演者 | 井上 貴統(中国労災病院・内科) |
共同演者 | 守屋 尚(中国労災病院・内科), 内藤 聡雄(中国労災病院・内科), 中村 有希(中国労災病院・内科), 吉福 良公(中国労災病院・内科), 北村 正輔(中国労災病院・内科), 岡信 秀治(中国労災病院・内科), 久賀 祥男(中国労災病院・内科), 大屋 敏秀(中国労災病院・内科) |
抄録 | 根治後のC型肝炎関連肝細胞癌(C型HCC)に対して再発予防の目的でIFNを中心とした抗ウイルス療法が導入されている.当院でも積極的にSVRを狙った抗ウイルス療法を導入しているが,今回はHCC根治後のIFN治療導入が困難な高齢あるいは再発症例について検討したので報告をする.【対象と方法】2001年1月から2011年12月までに当院で肝細胞癌と診断されたC型HCC276例のうち根治的治療が可能であった117例を対象とした.なおSVR後発癌例は対象外とした.対象の内訳は男性83例,女性34例,年齢は平均70歳(52-87歳)であった.初回治療の内訳は切除51例,RFA59例,TAE2例,HAIC 3例,PEIT 2例であった.【成績】117例中57例(49%)に対してHCC根治後IFN治療が導入されていた.IFN治療効果判定可能55例のうち30例(54.5%)でSVRが得られており,SVR例の予後は累積生存率が5年90%,10年70%と良好であった.【高齢の症例】IFN治療導入率は70歳未満では52例中35例(67.3%)であるが70歳以上の65例では22例(33.8%)に過ぎなかった(p<0.0003).70歳以上でSVRが得られた8例のうち7例でIFNあるいはRibavirinの投与量を標準投与量の60%以下に減量してIFN治療を開始されており,治療期間は43~151W(平均74W)と長期間であった.【再発症例】再発を繰り返している症例についてはIFN導入が困難と考えられている.SVRが得られた30例のうち14例は1回以上のHCC再発後にIFN治療が導入されていた.また30例中13例がIFN治療中にHCCが再発していたがHCC治療後にIFN治療を再開しSVRが得られていた.【まとめと考察】SVRが得られた症例の予後は極めて良好であるが,根治後のIFN治療導入は50%弱であった.高齢であることとHCCの再発がIFN治療導入の障害となっていた.高齢者に対しては少量,長期間の投与でSVRが得られていた.再発に関しては再発HCC治療後にIFN治療を導入することでSVRが得られることから積極的導入可能と考えられた. |
索引用語 | 肝細胞癌, C型慢性肝炎 |