セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療12

タイトル 肝P-97:

脾腫を伴う血小板低値のC型慢性肝炎に対するPSE先行3剤併用療法の検討

演者 厚川 正則(日本医大千葉北総病院・消化器内科)
共同演者 島田 紀朋(新松戸中央総合病院・消化器・肝臓科), 坪田 昭人(東京慈恵会医大柏病院・消化器・肝臓内科), 近藤 千紗(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 糸川 典夫(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 中川 愛(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 福田 健(日本医大付属病院・消化器内科), 楢原 義之(日本医大付属病院・消化器内科), 安部 宏(東京慈恵会医大葛飾医療センター・消化器・肝臓内科), 相澤 良夫(東京慈恵会医大葛飾医療センター・消化器・肝臓内科), 岩切 勝彦(日本医大千葉北総病院・消化器内科), 坂本 長逸(日本医大付属病院・消化器内科)
抄録 【目的】1型高ウィルス量のC型慢性肝炎に対するSOCはPEG-IFN/ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法である. PEG-IFN/ribavirin療法では血小板低値例に対しPSE先行治療が施行されたがSVR率の向上は十分ではない. 今回我々は血小板低値のC型慢性肝炎にPSEを先行し3剤併用療法を導入した症例について検討した. 【方法】脾腫を伴う血小板数10万/μl以下の1型高ウィルス量のC型慢性肝炎患者より同意を得てPSEを施行後 PEG-IFN/ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法を導入し効果や安全性について検討した. 本研究は薬物治験倫理委員会承認のもと施行された. 【結果】男性9例, 女性6例の15例. 年齢中央値62歳 (40-69), PSE前の血小板数6.9万/μl, PT活性値76.4%, 血清Alb4.0g/dl, AFP8.8ng/ml, core aa70は7例がwild type, IL28B (rs8099917)は9例がmajor genotype (T/T), ITPA (rs1127354)は9例でmajor genotype (C/C)であった. 平均塞栓率66.9% (40-85), PSE後で血小板数13.7万/μl (8.6-27.9) に上昇し(p=3.61×10-7), PT活性値88.1% (70.4-100) に有意に改善した(p=6.1×10-5). PEG-IFNα2bのadherenceは1.55μg/kgと良好であった. ITPA genotype別の治療経過中の血小板数は, major genotype (C/C)に比してminor genotype (C/A,A/A)ではより低下していた(p=0.013). 治療効果は, RVR率63.6%, EVR率80%, SVR4が2例, SVR8が2例, SVR16が2例, SVR24が1例, viral break throughが1例, relapseが1例, NVRが1例. 治療中断例が2例あったが, 血球減少によるものはない. 【結語】脾腫をともなう血小板低値のC型慢性肝炎において, PSE先行3剤併用療法により十分な薬剤投与が可能であった. 治療成績や安全性について今後も慎重に検討したい.
索引用語 PSE, 3剤併用療法