セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療12 |
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タイトル | 肝P-98:肝線維化進行C型肝炎症例に対する部分的脾動脈塞栓術(Partial Splenic Embolization:PSE)後抗ウイルス療法とその限界 |
演者 | 谷木 信仁(慶應義塾大病院・消化器内科) |
共同演者 | 海老沼 浩利(慶應義塾大病院・消化器内科), 中本 伸宏(慶應義塾大病院・消化器内科), 碓井 真吾(慶應義塾大病院・消化器内科), チョ 柏松(慶應義塾大病院・消化器内科), 石橋 由佳(慶應義塾大病院・消化器内科), 若山 遊子(慶應義塾大病院・消化器内科), 山岸 由幸(慶應義塾大病院・消化器内科), 岡村 幸重(佐野厚生総合病院・消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大病院・消化器内科), 齋藤 英胤(慶應義塾大病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景と目的】Telaprevir(TPV)をはじめとするDAAsの登場により,C型肝炎治療はSVR率の飛躍的な向上を認めているが,高齢者や肝機能低下例ではそれら薬剤による副作用の発現が危惧される.今後,第二世代プロテアーゼ阻害薬が使用可能になれば副作用はかなり軽減されるが,時間的余裕がない患者,すなわち肝線維化進行例に対する方法としてPSEに着目した.【対象と方法】当院にてPSEを施行した21例中,IFN治療目的で施行した症例は13例であった.これらのPSE前後の血小板値,肝機能,peginterferon (PEG-IFN),ribavirin (RBV)併用療法,ならびにTPVを含む3剤併用療法の効果に関して検討した.また,PSEの意義を解明する目的でPSE施行前後での末梢血免疫担当細胞の変化に関しても併せて検討した.【結果】PSE施行 21例中1例に脾膿瘍を認めたが,他には特に合併症を認めず,中にはALB値等肝機能が改善する症例もみられた.PSE施行後にはCD14+CD16+macrophageが末梢血中に増加するなど,PSEにより多彩な免疫学的変化がおこると考えられた.PSE後抗ウイルス療法を施行した13例のうち1例が上記合併症のため治療中止となった.内訳は 1型高ウイルス量9例,Others4例(1型低1例,2型高2例,2型低1例)であった.Others症例ではPEG-IFN,RBV併用療法によりすべての症例でSVRを得ている.しかし,1型高ウイルス量症例では,IL-28 SNPSに関わらず通常のPEG-IFN/RBV療法では1例もSVRは得られなかった.しかし,3剤併用療法により2例,リバウンド療法により1例でSVRが得られた.【結論】線維化進行例ではPSE施行により比較的安全に抗ウイルス療法を施行できた.Others症例では,PSEによるC型肝炎の治療適応拡大が可能と考えられるが,1型高ウイルス量症例では,3剤併用療法等のDAAsを含んだ抗ウイルス療法が必要と考えられた. |
索引用語 | PSE, C型肝炎 |