セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-治療12 |
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タイトル | 肝P-101:アルブミン3.5g/dl以下肝硬変に対するインターフェロン療法 |
演者 | 梶原 英二(製鉄記念八幡病院・肝臓内科) |
共同演者 | 黒川 美穂(製鉄記念八幡病院・肝臓内科), 山崎 晃浩(製鉄記念八幡病院・肝臓内科), 大穂 有恒(製鉄記念八幡病院・肝臓内科), 山下 尚毅(製鉄記念八幡病院・肝臓内科) |
抄録 | 【目的】血清アルブミン3.5g/dl以下の肝硬変に対するインターフェロン治療の効果を後ろ向きに検討した. 【対象と方法】2004年より2012年3月までにインターフェロン(IFN)治療を行ったC型肝炎患者867例のうち治療前の血清アルブミン値3.5g/dl以下肝硬変101例で,1年以内に肝細胞癌が出現した11例を除く90例を対象とした.年齢中央値は68歳(44-82歳). 男性39例 (43%).Child-Pugh score 6/7/8/9/10= 38/40/8/2/2.Genotype 1b/2=65/25.HCVRNA量 5 log IU/ml以上80%.肝癌治療後27例,食道胃静脈瘤治療歴 13例,脾摘術または部分脾動脈塞栓術後16例.初回治療はPEGIFN・RBV/PEGIFNα2a/IFNα=39/45/6例で,1年以上の長期治療例の殆どはPEGIFNα2a (少量隔週から4週間毎)に変更した.治療開始から直近のIFN治療日までの治療期間は-23/24-47/48-71/72-95/96-週=14/30/19/6/21例で中央値は48週(7-444週).治療開始から1/2/3/4/5年経過例数は88/79/68/54/39例.ウイルス排除不能例では肝細胞癌治療後も可能な限りIFN治療を繰り返した. 【結果】48週未満の無効中止例は6例,副作用中止例は21例(全身倦怠感5例,貧血4例,感染症3例,皮疹・掻痒2例,肝機能悪化2例など).全治療でのSVRは34%(31例;G1bで34%,G2で72%).ALT値は55/32/28/27/27/26 IU/l(前/1/2/3/4/5年)と有意に低下し,血清アルブミン3.25/3.55/3.5/3.6/3.6/3.8g/dlと有意に増加した.肝癌既往のない63例中20例発癌し,5年発癌率は34%.肝癌治療後27例の5年再発率は51%で,新規発癌および再発の抑制効果がみられた.一方,5年生存率は82%.死亡原因の多くは肝不全死であった.5年以上経過53例中死亡例19例と生存例34例の臨床背景を比較し,生存例では長期治療期間(48週以上)のみ有意に高頻度であった(32%:62%). 【結論】 アルブミン値3.5以下の肝硬変に対して長期間インターフェロン治療をすることで肝機能が改善し,さらに発癌または再発抑止効果により生命予後の改善も期待できる. |
索引用語 | C型肝硬変, インターフェロン治療 |