セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療13

タイトル 肝P-102:

高齢者のC型慢性肝炎におけるペグインターフェロン+リバビリン併用療法の治療効果と発癌抑制の検討

演者 伊藤 大(済生会中津病院・消化器内科)
共同演者 大橋 理奈(済生会中津病院・消化器内科), 岩坪 太郎(済生会中津病院・消化器内科), 黒澤 学(済生会中津病院・消化器内科), 安冨 栄一郎(済生会中津病院・消化器内科), 長谷 善明(済生会中津病院・消化器内科), 川口 真平(済生会中津病院・消化器内科), 古賀 英彬(済生会中津病院・消化器内科), 生方 聡史(済生会中津病院・消化器内科), 江口 考明(済生会中津病院・消化器内科), 田中 敏雄(済生会中津病院・消化器内科), 山下 博司(済生会中津病院・消化器内科), 福知 工(済生会中津病院・消化器内科), 蘆田 潔(済生会中津病院・消化器内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎の患者は著明に高齢化している.その一方で,高齢者の発癌率は高いことが知られている.よって,高齢者の患者に対して発癌を抑制することは大切である.そこで,今回,我々は高齢者に対するPeg-IFN+RBV併用療法の治療効果と発癌抑制効果につき検討した.【方法】2004年から2011年までに当院においてPeg-IFN+RBV併用療法を施行したC型慢性肝炎297例を対象とした.平均年齢55.8歳(22-77歳),男性/女性167/ 130.64歳高齢者以下を非高齢者,65歳以上を高齢者とした.非高齢者:男性/女性124/92.Genotype1b/2a+2b 144/72.高齢者:男性/女性43/38.Genotype1b/2a+2b 48/33.平均観察期間65.2ヶ月であった.高齢者と非高齢者のSVR率,中止率を比較し,また,Kaplan-Meier法により累積発癌率を検討した.【成績】SVR率は,高齢者で57.7%,非高齢者で55.7%であった.一方,中止例は高齢者で10例(12.3%),非高齢者で13例(6.0%)であった.累積発癌率は,非高齢者/高齢者で3年後1.0%/8.7%,5年後2.8%/8.7%,7年後3.7%/12.7%と有意に高齢者で累積発癌率が高かった.非高齢者でSVR/Relapse/NR 3年後0%/2.9%/3.8,5年後1.1%/2.9%/6.4%で,治療効果による有意差は見られなかった.一方,高齢者では3年後2.6%/18.8%/16.4%,5年後2.6%/18.8%/30.4%であり,高齢者では優位にSVR例では,non-SVR例に比べ累積発癌率は低かった.【結論】高齢者のC型慢性肝炎に対するPeg-IFN+RBV併用療法では,非高齢者よりも累積発癌率も高いが,SVRがえられた症例では発癌率が低く,IFN治療が可能な患者に対しては,HCV排除を目指した治療を行うべきと考えられた.
索引用語 高齢者, C型肝炎