セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療13

タイトル 肝P-103:

1型高ウイルス量高齢者C型慢性肝炎に対するPegIFN・リバビリン併用療法の治療効果・安全性に関するCase-control study

演者 日下部 篤宣(名古屋第二赤十字病院・消化器内科)
共同演者 蟹江 浩(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 坂 哲臣(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 山田 智則(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 澤木 明(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 林 克巳(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 田中 靖人(名古屋市立大大学院・病態医科学), 折戸 悦朗(名古屋第二赤十字病院・消化器内科)
抄録 【背景】難治性である1型高ウイルス量C型慢性肝炎患者(1-high症例)においてもPegIFN・リバビリン併用療法(2剤併用療法)によって約50%の高い著効率が得られるようになった.しかし,高齢者においては副作用等が影響し著効率が低い傾向である.IFNを用いたC型慢性肝炎の治療効果にはウイルス因子(HCV遺伝子型,ウイルス量)の他,宿主因子(IL28B,性別),薬剤因子(薬剤量,期間)が影響する.しかし,高齢者・非高齢者間の2剤併用療法による治療効果・安全性に関する検討で,これらの因子をマッチさせた報告は稀である.【方法】当院で2008年4月~2011年12月に133例のC型慢性患者にPegIFN治療を行ったが,2剤併用療法を行った65歳以上の1-high症例は15例だった(A群).このA群に対して治療効果規定因子(男女比,治療方法,治療期間,HCVRNA量,IL28B)をマッチさせた65歳未満の1-high症例30例を選択し(B群),治療効果や副作用について検討した.【結果】治療完遂率はA群93%,B群100%とA群でも良好だった.SVR率はA群46.7%で,B群60%と比較して低率だったが有意差は認めなかった.初期規定量に対する実際の薬剤投与量は,PegIFN:A群73.0%,B群86.7% (P<0.01),リバビリン:A群63.9%,B群84.9% (P<0.005)と両剤とも有意にA群で低量だった.血球系の推移はHbと好中球数は両群で同等の推移を示したが,血小板数はA群で治療開始前から低値のまま推移した.副作用を認めた症例は,A群87%,B群67%とA群で高率だった.副作用の内訳は,血球系減少がA群66.7%,B群43.3%とA群でやや高率であったが,他の副作用は同等だった.【結語】高齢者群で薬剤投与量は有意に低量だったが,治療完遂率は比較的高くSVR率も非高齢者群と有意差を認めなかった.高齢者では血球系減少が高率であるため,投与量調節を行いながら治療完遂することがSVR率を高めるために重要と思われた.
索引用語 C型肝炎, 高齢者