セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療13

タイトル 肝P-105:

当院における高齢C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療についての検討

演者 篠原 美絵(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
共同演者 高亀 道生(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 金山 香(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 池原 孝(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 中野 茂(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 篠原 正夫(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 渡邉 学(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 石井 耕司(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
抄録 高齢のC型慢性肝炎(CHC)におけるインターフェロン(IFN)治療では,著効率が低いことや副作用発現率が高いとされている.今回,われわれは65歳以上を高齢と定義して,当院における高齢のCHC症例に対するIFN治療の状況について検討した.対象および方法:1998年以降に当科でIFN治療を受けた高齢のCHC患者118例(年齢65-80歳:中央値68歳,男:女=48:70例)が対象.うちセロタイプ(S)1は71例(高ウイルス量59例,低ウイルス量12例),S2は47例(高ウイルス量30例,低ウイルス量17例)で,各年代における厚生省班会議の肝炎治療ガイドラインに沿って治療を行った.症例によっては適宜,IFN製剤や用量を変更し,治療期間を調節した.治療終了24週後の血清HCV-RNAが陰性の場合をSVR,陽性の場合をNVRとした.結果:全体のSVRは44%(S1:34%,S2:60%),NVRは31%(S1:32%,S2:30%),副作用による脱落例は11%(S1:13%,S2:3%),その他14%(S1:21%,S2:9%)であった.S1症例での治療法別のSVRはPRG-IFNα2a単独で17%,PEG-IFNα2a+リバビリン(R)で40%,PEG-IFNα2b+Rで46%,非PEG-IFN(αまたはβ単独,コンセンサスIFN,非PEG-IFN+R,IFNβ+R)ではSVR42%であった.S2症例ではそれぞれ50%,73%,40%,58%であった.最近では根治を目的とせずに発癌予防で開始したPEG-IFNα2a 90ugの隔週投与例は10例(S1:8例,S2:2例)で,1例(S2,高ウイルス量)はSVR,1例は他臓器癌のため中止となったが,8例は継続投与中である.全ての対象症例において,重篤な副作用や死亡例はなかった.まとめ:治療法を柔軟に対応すれば,高齢者に対するIFNの治療成績は65歳未満の症例と比べて遜色ないものであった.しかし,S1症例での脱落が多かった理由は治療期間が長くなることに関連していると思われた.
索引用語 C型肝炎, 高齢者