セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療14

タイトル 肝P-107:

C型慢性肝炎のインターフェロン治療難治例へのIFNβ1日2回投与と二重濾過血漿交換療法-最終報告-

演者 天野 恵介(久留米大・消化器内科)
共同演者 井出 達也(久留米大・消化器内科), 有永 照子(久留米大・消化器内科), 宮島 一郎(久留米大・消化器内科), 緒方 啓(久留米大・消化器内科), 桑原 礼一郎(久留米大・消化器内科), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科)
抄録 【目的】Genotype 1b型,高ウイルス量のC型慢性肝炎のなかでも7.0Log前後の高ウイルス量,高齢女性,線維化進展例などは治療効果が低いとされる.このような例にIFNβ1日2回投与および二重濾過血漿交換療法(DFPP)を用いた治療をペグインターフェロン・リバビリン(PEG RBV)治療前に行い,これまで報告してきた.今回最終結果を報告する.【対象と方法】1) IFNβ(3MU)の1日2回投与を2週間行い,その後PEG RBVを行った55例(IFNβ群).男:女=25:30.年齢は59.8±7.9才(60歳以上の女性20例)であった.HCV RNA量は21例で7.0 logIU/mlを超えていた.2) 上記のIFNβ投与と同時期にDFPPを5回併用し,その後にPEG RBVを行った13例(IFNβ+DFPP群).男:女=6:7.年齢は59.5±8.2才(60歳以上の女性6例).【結果】1) IFNβ群の平均RNA量(logIU/ml)は,治療前 6.7,1週後 4.0,2週後 3.3と著明に低下し,33例(60.0%)で12週目までに陰性化(EVR)が得られた.中止となった8例を除くと,47例中29例(61.7%)がSVRであった.2) IFNβ+DFPP群の開始後のRNA量は,治療前 6.7,1週後 4.2,2週後 3.5と低下した.中止となった1例を除くと,12例中6例(50.0%)でEVRが得られた.SVRは7例(58.3%)であった.3) IFNβ群とIFNβ+DFPP群において,早期のウイルス減少量に有意差は認めなかった.IL28Bがメジャーホモである27例中,19例(70.3%)でSVRが得られたが,マイナーホモ・へテロの11例中,SVRが得られたのは2例(18.1%)であった.【結論】難治例であっても,IFNβなどの工夫により陰性化が早くみられた.とくにIL28Bがメジャーホモにおいては,高い治療効果が得られた.
索引用語 IFN治療, C型慢性肝炎