セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療14

タイトル 肝P-108:

genotype 2かつ高ウイルス量C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリン併用療法の再燃阻止を目指した併用療法後追加維持療法の試み(陰性化遅延例において)

演者 山崎 哲(浜松医大・2内科)
共同演者 小林 良正(浜松医大・2内科), 川村 欣也(浜松医大・2内科), 則武 秀尚(浜松医大・2内科), 渡辺 晋也(浜松医大・2内科), 千田 剛士(浜松医大・2内科), 木次 健介(浜松医大・2内科)
抄録 【目的】Genotype 2かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎に対するペグインターフェロン・リバビリン(Peg-IFN/RBV)併用療法は24週間投与が標準とされているが,8週以降のHCV RNA陰性化例(late virological response:LVR)は4週陰性化例と比較してSVR率が低い事が知られている.今回,我々は,LVR例のSVR 率の向上を目指してPeg-IFN/RBV併用療法後PegIFN 2a少量間歇投与を追加しウィルス陰性化を長期間維持することの有用性を検討した.【対象と方法】Peg-IFN/RBV併用療法にて8週以降にウィルスが陰性化したgenotype 2かつ高ウイルス量のC型慢性肝炎11例(男性5例:女性6例,平均年齢55歳)に対して併用療法24週間終了後,引き続いてPegIFN 2a 90μgを隔週投与し,最大96週間のウィルス陰性化を維持した.治療終了時にウイルスが陰性であった例を治療完遂例,治療中にウイルスが再燃した例をbreakthrough例とし,ウィルス陰性化維持期間とウイルス学的効果について検討した.【成績】治療完遂例は9例で,そのうちウィルス陰性化維持期間が96週間である症例は,3例,48週間が4例,24週間が1例,16週間が1例であった.SVR率は77%(7/9)で,96週間のウィルス陰性化維持例では100%(3/3),48週間以下のウィルス陰性化維持例では66%(4/6)であった.両群間で,治療前ウィルス量,肝炎進展度に有意差はみられなかった.breakthrough例は2例で,そのウィルス陰性化期間は40週間と68週間であった.なお,副作用による治療中止例はみられなかった.【結語】Peg-IFN/RBV併用療法後Peg-IFNα2a単独療法(少量間歇投与)を追加しウイルス陰性化を長期間(とくに96週間)維持することでLVR例のSVR率が向上する可能性が示唆された.
索引用語 HCV genotype2, PegIFNα2a追加投与