セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-治療14

タイトル 肝P-111:

腎移植後C型慢性肝炎患者に対するペグインターフェロン・リバビリン併用療法

演者 藤原 圭(名古屋第二赤十字病院・消化器内科DELIMITER名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学)
共同演者 日下部 篤宣(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 林 克巳(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 山田 智則(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 坂 哲臣(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 蟹江 浩(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 青木 美帆(名古屋第二赤十字病院・消化器内科), 野尻 俊輔(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 新海 登(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 松浦 健太郎(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 遠藤 美生(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 飯尾 悦子(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 城 卓志(名古屋市立大大学院・消化器・代謝内科学), 折戸 悦朗(名古屋第二赤十字病院・消化器内科)
抄録 【目的】腎移植後患者のC型肝炎ウイルス感染は一般人口に比して非常に高率である.腎移植後C型慢性肝炎患者(CHC)に対する抗ウイルス療法は,移植腎障害のリスクの可能性があるため現在のところ積極的に行われていない.他方,腎移植後患者の長期生存が得られる現在では,移植腎機能が維持されていながら,肝硬変や,肝癌といった合併症が予後に影響を与えることがある.今回我々は,腎移植後CHCに対するペグインターフェロン(PEG-IFN)・リバビリン(RBV)併用療法が有効かつ安全であるかを検討した.【方法】14例の腎移植後CHC(平均年齢:57.5歳,男性/女性=10/4例,1型高ウイルス量/1型高ウイルス量以外=6/8例)に対してPEG-IFN・RBV併用療法が行われた.治療効果,安全性,および当患者群における治療上の特徴について評価した.【結果】SVRは8/14 (57.1%)の患者で得られた.1型高ウイルス量患者では1型高ウイルス量以外の患者に比べ有意にSVR率が低かった(16.7 % (1/6) vs. 87.5% (7/8), p<0.05).移植腎障害は認めなかった.薬剤投与量に関してPEG-IFNについてはアドヒアランスの著しい低下を認めなかったが,RBVのアドヒアランスは予定投与量に対する1-6週の平均アドヒアランスが91.4%に対して7-12週のアドヒアランスは50.5%と著しい低下を認めた.【結語】腎移植後CHCにおいてPEG-IFN・RBV治療は有効かつ安全であった.特に1型高ウイルス量以外の患者では高いSVR率が得られ,よい治療適応症例と考えられた.1型高ウイルス量症例でSVRが低率であることについては,この患者群における治療中のRBVアドヒアランスの著しい低下が一因であると考えられる.
索引用語 腎移植後, C型肝炎