セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)C型肝炎-その他 |
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タイトル | 肝P-113:HIV/HCV重複感染者の治療経験 |
演者 | 新垣 伸吾(琉球大附属病院・1内科) |
共同演者 | 富里 孔太(琉球大附属病院・1内科), 仲松 元二郎(琉球大附属病院・1内科), 島袋 耕平(琉球大附属病院・1内科), 宮里 公也(琉球大附属病院・1内科), 星野 訓一(琉球大附属病院・1内科), 大平 哲也(琉球大附属病院・1内科), 柴田 大介(琉球大附属病院・1内科), 前城 達次(琉球大附属病院・1内科), 金城 福則(琉球大附属病院・光学医療診療部), 藤田 次郎(琉球大附属病院・1内科), 佐久川 廣(ハートライフ病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年本邦におけるHIV感染者は増加傾向を示しており,感染経路から考えて性交渉や薬物乱用などでHIVと同時に感染したC型慢性肝炎患者を診察する機会も増える可能性がある.HIVに対するAnti-retroviral therapy(以下ART)の導入に伴いHIV感染症は長期にわたり制御可能な時代になってきた.AIDS関連死亡が減少し,相対的にHCV関連死が増加しており,HCVに対する抗ウイルス療法は重要な課題である.当院ではHIV/HCV重複感染者を6例経験しており,今回その治療効果検討した.【対象】1987年から2012年5月までに当院で診療したHIV感染者191例のうちHCVRNA陽性であったHIV/HCV重複感染者6例で年齢は22~49歳(平均33.8±9.6歳,中央値32.5歳),全例男性.感染経路は2例が同性間性交渉で4例が血液製剤(4例とも血友病患者).HCV genotypeは1型4例(1a 1例,1b 3例)2a型1例,4型1例.HCVRNA量は全例5logIU/ml以上の高ウイルス量.肝線維化はF1が2例,F2が3例,肝硬変が1例.治療前CD4数は肝硬変症例を除いて200/μl以上であった.【結果】6例全例でARTを導入,ペグインターフェロン+リバビリン併用療法(以下PEG/RBV)は肝硬変症例を除く5例で施行し,3例はSVRが得られたが,他2例は繰り返す膝関節内出血と肺アスペルギルス症悪化による血痰で治療中断となった.肝硬変症例は肝予備能が悪化し生体肝移植を施行したが,移植後HCV再感染,敗血症,多臓器不全にて死亡した.【考察】HIV/HCV重複感染者はHCV単独感染者に比べ肝線維化進展速度が速く,CD4数が200/μl以上で早期に治療開始する必要があるが,合併症などにより治療に難渋することも少なくない.PEG/RBVによるSVRも20~30%と低いのが現状であり,今後プロテアーゼ阻害剤をはじめとするDAA(Direct-Acting Antivirals)の併用での治療が期待される. |
索引用語 | HIV/HCV重複感染, 治療 |