セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

C型肝炎-その他

タイトル 肝P-115:

C型慢性肝炎に対するPeginterferon/Ribavirin/Telaprevir 3剤併用療法患者の持参服用薬剤を対象とした薬物相互作用の実態調査

演者 鈴木 光幸(済生会新潟第二病院・薬剤部)
共同演者 佐久間 愛(済生会新潟第二病院・薬剤部), 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科), 窪田 智之(済生会新潟第二病院・消化器内科), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・消化器内科)
抄録 【目的】Telaprevir(TVR)は,主としてCYP3A4で代謝され,CYP3A4/5阻害作用を有する.併用試験の結果から様々な薬剤が併用禁忌に指定されているため薬物治療を行う上で薬物相互作用の把握は必須となっている.そこで,当院TVR 導入患者に関して持参した併用薬剤についてTVR のCYP3A4/5阻害作用による薬物相互作用の実態を調査し,さらに現在展開している病棟薬剤業務について考察したので報告する.【方法】当院TVR 導入患者34名(男性19名,女性15名 平均年齢64.5歳)におけるTVR と併用薬剤について,添付文書を用いて相互作用に関する情報を調査した.また,TVR 添付文書上,併用によりAUCが179%上昇すると記載され併用注意とされているアムロジピン服用患者8名における血圧変動についてTVR 投与開始時と投与14日目での変化について調査した.【成績】28症例(82.4%)に持参服用薬があり,服用薬剤の内訳としては,肝庇護薬18名(52.9%),降圧薬13名(38.2%),プロトンポンプ阻害薬9名(26.5%),抗不安薬・睡眠薬8名(23.5%)であった.併用禁忌とされるトリアゾラム服用症例は5名(14.7%),エルゴタミン製剤服用症例は1名(2.9%)であった.なおこれらの禁忌薬はTVR 導入時に服用中止となっている.アムロジピン併用時における血圧変動について,投与初日と14日目で65歳以上の高齢者において拡張期血圧で有意な低下が認められた.収縮期血圧は低下する傾向が認められた.【結論】持参薬については入院初日に薬剤部で薬剤鑑別を行い,病棟常駐薬剤師が直接患者と面談することによって服用状況などを確認,把握している.併用禁忌とされる薬剤が持ち込まれる割合は決して低くなく,薬剤師の早期介入がTVR 導入時の安全な薬物治療を行う上で重要な任務を担っていると考えられた.
索引用語 telaprevir, 薬物相互作用