セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

診療連携・パス・拠点病院

タイトル 肝P-118:

肝疾患地域連携パスの評価と今後の課題

演者 秋山 美加(済生会新潟第二病院・地域医療連携室)
共同演者 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科), 齋藤 浩生(済生会新潟第二病院・地域医療連携室), 大澤 希美代(済生会新潟第二病院・地域医療連携室), 佐藤 真衣子(済生会新潟第二病院・地域医療連携室), 斎川 克之(済生会新潟第二病院・地域医療連携室), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・地域医療連携室)
抄録 【目的】当院は,平成21年より肝疾患地域連携パス(以下,パス)を開始した.現在までパス適応者数は114人,連携医療機関54施設に及ぶ.今回,地域の肝疾患診療の実態調査を行い,パスの効果と今後の課題について検討した.
【方法】当院連携医療機関に肝疾患診療に関するアンケートを実施.パス施行医師をA群,未施行医師をB群と分類し,解析を行った.
【結果】調査対象341人,A群回収率は56%,B群39%であった.肝疾患診療について71%の医師が「積極的に病診連携で診たい」「疾患によって連携して診たい」と,病診連携に前向きであった.「すべて病院で診てほしい」「どちらかといえば診たくない」と回答した29%は,すべてB群であった.「専門外なので任せたい」と考えていることが理由であった.パスについて,78%の医師が「負担が少ない」「情報共有には必要」と考えている一方で,22%は負担と感じており,うち9割がB群であった.パスをツールとした病診連携を行いたいかとの質問には,A群の90%が「とてもそう思う」「そう思う」と肯定的な回答したのに対し,B群の肯定的な回答は45%にとどまり,「どちらでもない」が36%,「思わない」が18%であった.「どちらでもない」と回答した理由の多くは,使ったことがないからわからないというものだった.「思わない」と回答した理由としては,日常の業務が多忙で余裕がないこと,専門外であることが挙げられた.B群は,パスに消極的である一方,パスのメリットについては,7割以上が効果的であると回答した.
【結論】パスの効果はあると考えられているものの,利用に抵抗がある医師が多く存在する.より多くの医師の協力を得て,さらなる病診連携強化を図るためには,意見交換会の開催やパスの改訂を行う等,地域医療連携室の果たす任務は重要である.
索引用語 連携パス, 病診連携