セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

画像診断

タイトル 肝P-122:

神経内分泌癌の造影超音波所見の検討

演者 高木 慎太郎(広島赤十字・原爆病院)
共同演者 森 奈美(広島赤十字・原爆病院), 福原 崇之(広島大病院・消化器・代謝内科), 宮木 大輔(広島大病院・消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大病院・消化器・代謝内科), 柘植 雅貴(広島大病院・消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大病院・消化器・代謝内科), 今村 道雄(広島大病院・消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 相坂 康之(広島赤十字・原爆病院), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【はじめに】神経内分泌腫瘍(Neuroendcrine Tumor:NET)の画像診断はきわめて多彩であるが,血流動態としては肝動脈血流が豊富であることが報告されている.神経内分泌癌Neuroendcrine Carcinoma:NEC)では,同様に動脈が豊富な多血管性腫瘍腫瘍性病変として描出されるが壊死や出血を反映した所見もあり,さらに多様な像をとる.【症例1】58歳女性 膵NEC肝転移.CT:膵鉤部に2cm大の結節を認める.肝両葉に2cm大までの動脈相で濃染し平行相でwashoutをみとめる腫瘍を多発性に認めた.sonazoid造影超音波:動脈優位相で濃染し門脈優位相では比較的明瞭なwashoutをみとめた.後血管相では境界明瞭なdefectとして描出された.【症例2】57歳女性 S状結腸NEC肝転移の疑い.CT: 肝右葉10cm大の点中で不均一低信号,動脈相で濃染し平行相でwashoutを認める結節を認め,左葉にも2cmまでの同様の結節を認めた.sonazoid造影超音波:左葉の腫瘍は動脈優位相で濃染は認めなかったが,右葉の10cm大の結節は,動脈優位相で不均一に辺縁が強く濃染し門脈優位相では比較的明瞭なwashoutをみとめた.後血管相では境界明瞭なdefectとして描出された.いずれの症例も,sonazoid造影超音波では,動脈優位相で比較的早期に濃染を示しwashoutも比較的早期にすばやくおこっていた.【考察】NECの肝転移の超音波所見は,様々な所見を呈すが,washoutの早い多血性結節として描出されると考えられた.腺癌の転移性肝癌も同様の所見がみられることはあり,造影超音波のみでの両者の鑑別は困難と考えられる.【結語】今回我々は,造影超音波で早期に染まり早期にwashoutを認めたNECの症例を2例経験したので報告する.
索引用語 神経内分泌癌, 造影超音波