セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)画像診断 |
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タイトル | 肝P-123:超音波エラストグラフィによる肝腫瘍鑑別診断・肝線維化診断の問題点 |
演者 | 杉本 博行(名古屋大・消化器外科) |
共同演者 | 山村 和生(名古屋大・消化器外科), 高見 秀樹(名古屋大・消化器外科), 菱田 光洋(名古屋大・消化器外科), 猪川 祥邦(名古屋大・消化器外科), 神田 光郎(名古屋大・消化器外科), 小林 大介(名古屋大・消化器外科), 田中 千恵(名古屋大・消化器外科), 山田 豪(名古屋大・消化器外科), 中山 吾郎(名古屋大・消化器外科), 藤井 努(名古屋大・消化器外科), 小池 聖彦(名古屋大・消化器外科), 野本 周嗣(名古屋大・消化器外科), 藤原 道隆(名古屋大・消化器外科), 小寺 泰弘(名古屋大・消化器外科) |
抄録 | 【目的】外科医は術中の触診により腫瘍性病変の良悪性の診断を行うが,触診による硬さの評価は客観性に乏しくその診断能は限られていた.近年,硬さを画像化できる画期的な診断装置として超音波エラストグラフィが開発され臨床応用が進んでいる.一方,当初想定されていなかった領域への応用や新機種の開発により臨床応用時の注意点や問題点が出てきた.今回,各種超音波エラストグラフィの使用経験から臨床応用時の問題点を報告する.【方法】Real-time Tissue Elastography(RTE)の製品化と乳腺領域における臨床応用の報告以後,消化器外科領域への応用を目指し当科でも2005年から検討を開始した.装置は日立EUB8500,RTEを肝腫瘍鑑別診断を目的として術中に使用した.この経験を元に同社の体外式マイクロコンベックス,SIEMENS社製S2000,SuperSonic Imagine社製Aixplorerの使用時の問題点につき報告する.【成績】術中は適度な圧迫が可能で,安定した画像を得ることができ,肝腫瘍鑑別診断におけるRTEの有用性を報告した(Liver International 28; 1264-1271: 2008).一方,体外式装置では心拍動により画像を得るため歪みが小さく術中使用時よりも硬く描出される.S2000やAixplorerでは定量化が可能であり,また超音波を用いた手法で計測されるため圧迫が不要であり体外式評価に有用である.しかし線維化診断においては,その数値は腫瘍鑑別診断に用いる値と比し小さい.高度線維化以上の数値である100kPaのファントムを消化器外科医10人に触診してもらったところ全員が癌の硬さに比し柔らかいと回答した.超音波エラストグラフィを線維化診断に用いる場合には安定した条件で測定する必要がある.【結論】超音波エラストグラフィは肝腫瘍鑑別診断,線維化診断に有用であるがそれぞれの機種の特徴を良く理解して使用する必要がある. |
索引用語 | エラストグラフィ, 肝線維化 |