セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

画像診断

タイトル 肝P-126:

肝細胞癌診断におけるMRI拡散強調画像の有用性の検討

演者 東 正新(東京医歯大・消化器内科)
共同演者 朝比奈 靖浩(東京医歯大・消化器内科DELIMITER東京医歯大・消化器病態学), 後藤 文男(東京医歯大・消化器内科), 大谷 賢志(東京医歯大・消化器内科), 谷口 未樹(東京医歯大・消化器内科), 河合 富貴子(東京医歯大・消化器内科), 藤木 純子(東京医歯大・消化器内科), 村川 美也子(東京医歯大・消化器内科), 小野塚 泉(東京医歯大・消化器内科), 新田 沙由梨(東京医歯大・消化器内科), 北詰 晶子(東京医歯大・消化器内科), 櫻井 幸(東京医歯大・消化器内科), 中川 美奈(東京医歯大・消化器内科), 柿沼 晴(東京医歯大・消化器内科DELIMITER東京医歯大・消化器病態学), 渡辺 守(東京医歯大・消化器内科)
抄録 【目的】Gd-DTPA造影剤がMRIに導入されてから,肝細胞癌の検出感度は向上したが,悪性度や治療要求度の診断が困難な症例も多い.肝細胞癌診断におけるMRI拡散強調画像(DWI)を併用することの意義について検討した.【方法】当院で2011年1月から12月までにEOB-MRI を施行した384症例ののうち,10個以下の肝細胞癌と診断した55症例94結節を対象とした.このうち34結節は病理組織学的に診断され,残りの60結節はCTAP/CTHA及びEOB-MRIの2種類の画像検査所見により古典的肝細胞癌と診断された.これらについてDWI陽性所見の有無による結節の特徴について検討した.【成績】94結節中74結節にDWI陽性所見が認められた.領域別では,S1:4結節中3結節(75%),S2:7結節中6結節(86%),S3:11結節中10結節(91%),S4:12結節中8結節(67%),S5:17結節中13結節(76%),S6:10結節中9結節(90%),S7:11結節中10結節(91%),S8:22結節中15結節(68%)で陽性あった.腫瘍径別では,10mm以下では30結節中21結節(70%),11mmから20mm以下では,35結節中25結節(71%),21mmから30mm以下では,14結節中13結節(93%),31mm以上では,15結節中15結節(100%)でDWI陽性であった.また,94結節中8結節が早期濃染を認めない結節であった.この8結節のうち6結節(75%)がDWI陽性であった.【結論】DWIは肝細胞癌の腫瘍径が大きいほど陽性率が上昇し,21mm以上では90%以上が陽性所見を呈した.また,EOB-MRIで早期濃染を呈さない結節でもDWI陽性であれば,肝細胞癌と診断できる結節があった.腎障害やアレルギーにより造影CTや造影MRIが施行できない症例においても,DWIを組み込んだ単純MRIは肝細胞癌のスクリーニングとして有用である.
索引用語 拡散強調画像, 肝細胞癌