セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
NAFLD・NASH2
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タイトル |
肝P-134:A Prospective Study of Long-term Outcomes in Female Patients with Nonalcoholic Steatohepatitis Using Age- and Body Mass Index-matched Cohorts
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演者 |
橋爪 洋明(群馬大附属病院・病態制御内科学) |
共同演者 |
佐藤 賢(群馬大附属病院・病態制御内科学), 堀口 昇男(群馬大附属病院・病態制御内科学), 山崎 勇一(群馬大附属病院・病態制御内科学), 柿崎 暁(群馬大附属病院・病態制御内科学) |
抄録 |
【目的】NASHの予後に関する研究では年齢,性別,BMIを考慮して対照群と比較した報告は少ない.NASH女性患者における肝線維化の程度による長期予後について比較検討し,同様に背景を揃えたC型慢性肝炎症例との比較検討を行った(Acta Med Okayama, 2013:67;45-53).【方法】NASH女性患者から肝線維化の程度により線維化進行群(Advanced NASH)を20例と,年齢並びにBMIをマッチさせた線維化軽度群(Mild NASH)19例,及びC型慢性肝炎女性患者における肝線維化進行群(Advanced CHC)20例について前向きに追跡・比較検討した.主要評価項目は全生存率,HCC発症を含む肝関連疾患,脳心血管系イベント発生率である.【結果】観察期間中央値は92.5ヵ月(約7.7年)であった.Advanced NASHでは年齢69歳,BMI27.4,糖尿病合併率60%,HOMA=IR 3.01(全て中央値で表示),これら因子は各群間で有意差を認めなかった.Advanced CHCとの比較では,有意に血小板数 (P = 0.010),アルブミン(P = 0.028),総コレステロール(P = 0.022)が高く,空腹時血糖(P = 0.035)が低かった.この結果はAdvanced NASHではAdvanced CHCよりも肝予備能が良い可能性を示唆したが,Advanced NASHとAdvanced CHC間で死亡率 (年率3.1% vs 6.3%, P = 0.301),HCC発症を含む肝関連疾患発生率 (年率7.5% vs 7.5%, P = 0.460),脳心血管系イベント発生率 (年率 1.3% vs 0.6%, P = 0.575)について有意差はなかった.一方,NASH群間の比較では,Mild NASHでは肝関連疾患の発生はなく,Advanced NASHで有意に肝関連疾患の発生が多かった(HCC発生年率 5%, P = 0.004).【結論】女性におけるAdvanced NASHでは,年齢・BMIを揃えた肝線維化非進行例と比べ,HCCを含む肝関連疾患発生が有意に増加する一方で,C型肝炎との比較においては予後が同等の可能性が示された.NASHの肝線維化進行例は肝関連疾患(HCC含む)発症の高危険群であることが示された. |
索引用語 |
NASH, 肝線維化 |