セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)NAFLD・NASH2 |
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タイトル | 肝P-135:検診受診者の脂肪肝スクリーニングにおけるfatty liver index (FLI)の有用性 |
演者 | 守屋 昭男(三豊総合病院・消化器科) |
共同演者 | 岩崎 良章(岡山大保健管理センター), 寺澤 裕之(三豊総合病院・消化器科), 榮 浩行(三豊総合病院・消化器科), 吉田 泰成(三豊総合病院・消化器科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院・消化器科), 遠藤 日登美(三豊総合病院・消化器科), 神野 秀基(三豊総合病院・消化器科), 加地 英輔(三豊総合病院・消化器科), 幡 英典(三豊総合病院・消化器科), 今川 敦(三豊総合病院・消化器科), 中津 守人(三豊総合病院・消化器科), 安東 正晴(三豊総合病院・消化器科) |
抄録 | 【目的】近年,非アルコール性脂肪肝炎およびその前駆段階としての脂肪肝の肝疾患に占める割合は増加しており,重要性が高まっている.腹部超音波検査は脂肪肝のスクリーニングとして有用ではあるものの,一般健診には組み込まれていないことも多い.今回われわれは,2006年にBedogniらによって提唱されたfatty liver index (FLI)の検診における有用性について検討した.【方法】対象は2007年4月から2011年12月までに当院にて腹部超音波検査が実施された人間ドック受診者で,この期間に2回以上受診したものについては初回受診時のデータを採用した.腹部超音波検査で評価された脂肪肝の有無とFLIとの関連についてROC解析を行った.また,同様の解析をBMIや腹囲を用いて行い,FLIのAUCと比較した.【成績】計4,101名(男性2,414名,女性1,687名,年齢50.7±10.0歳,BMI=23.3±3.5,腹囲=82.4±9.6 cm)を解析した.脂肪肝の有病率は33.1%であった.FLIによるROC解析ではAUC=0.857であり,原著と同様にFLI=30をカットオフとした場合のnegative likelihood ratioは0.325,FLI=60をカットオフとした場合のpositive likelihood ratioは7.75であったが,FLI=20をカットオフとするとnegative likelihood ratioは0.190,FLI=40をカットオフとするとpositive likelihood ratioは5.16となった.また,BMI (AUC=0.850),腹囲 (AUC=0.840),ALT (AUC=0.756),TG (AUC=0.731),GGT (AUC=0.713)との比較では,BMIとは有意な差は認められなかったが,その他に対してはFLIの方が有意に優れていた(それぞれP=0.1665,P=0.0005,P<0.0001,P<0.0001,P<0.0001).【結論】日本人においてもFLIは有用と考えられたが,FLIのカットオフ値は欧米人より低めの設定が妥当と考えられた.一方で,BMI単独による分析と比較しての優位性は明らかでなかった. |
索引用語 | 脂肪肝, FLI |