共同演者 |
知花 洋子(獨協医大・消化器内科DELIMITER獨協医大病院・健康管理科), 渡辺 菜穂美(獨協医大・消化器内科DELIMITER獨協医大病院・健康管理科), 秋間 崇(獨協医大・消化器内科), 植竹 知津(獨協医大越谷病院・消化器内科), 小池 健郎(獨協医大・消化器内科), 櫻井 紘子(獨協医大・消化器内科), 中野 正和(獨協医大・消化器内科), 前田 光徳(獨協医大・消化器内科), 笹井 貴子(獨協医大・消化器内科), 室久 俊光(獨協医大・消化器内科), 佐久川 廣(ハートライフ病院・消化器内科), 玉野 正也(獨協医大越谷病院・消化器内科), 大類 方巳(獨協医大病院・健康管理科), 平石 秀幸(獨協医大・消化器内科) |
抄録 |
【背景・目的】非アルコール性脂肪肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD)は非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH),肝硬変,肝細胞癌発症への進展の可能性があり,その発症原因を検討することは重要である. 人間ドック受診者のNAFLDと生活習慣との関係について検討を行った.【対象・方法】2008年10月から2013年1月のドック受診者1937例のうち, 腹部超音波検査を行い,HCV抗体陰性, HBs抗原陰性で,飲酒量20g/日以下の1442症例(男性903症例, 女性 539症例)平均年齢57.2 ± 10.2 歳を対象とした.腹部超音波検査で脂肪肝を認めた症例をNAFLDと診断し,非NAFLD群との検討を行った.特定健診質問22項目の問診を行った. 統計は t 検定, χ2検定を行い P<0.05を有意差ありとした.単変量解析および,多変量解析を行った.【結果】NAFLDは313症例(22.9%)で男性240例,女性73例であった.単変量解析結果では,降圧剤・血糖降下剤・脂質異常改善薬を服用している症例, 喫煙習慣がある症例,20歳時の体重から10kg以上の増加, 食べる速度が早い症例にNAFLDが多く, 貧血の既往がある,運動習慣のある, 歩行速度が速い症例にはNAFLDが少なかった. 多変量解析では血糖降下剤(Odds比 1.971 , 95%CI 1.025-2.435, P=0.0413),脂質異常改善薬(Odds比 1.578 , 95%CI 1.019, P=0.0395),20歳時の体重から10kg以上の増加している症例(Odds比 4.227 , 95%CI3.014-5.977, P<0.0001)でNAFLDの発症が多かった.【結語】NAFLD発症には生活習慣が深く関係しており,糖尿病,脂質異常症,体重増加との関係が有意であった. |