セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

NAFLD・NASH3

タイトル 肝P-138:

非アルコール性脂肪性肝疾患の肝線維化における生活習慣とインスリン抵抗性の影響

演者 大石 和佳(放射線影響研究所・臨床研究部)
共同演者 植田 慶子(放射線影響研究所・臨床研究部), 柘植 雅貴(広島大大学院・消化器・代謝内科学), 茶山 一彰(広島大大学院・消化器・代謝内科学)
抄録 【目的】我々は以前の研究で,飲酒,喫煙,肥満,放射線被曝が非B非C型肝細胞癌(HCC)のリスク増加に関連することを報告したが(Hepatology 53, 2011),近年,非B非C型HCCの原因の1つとして非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が指摘されている.今回,NAFLDの肝線維化に寄与する因子を調べるために,原爆被爆者の長期追跡コホートにおいて断面調査を行った.【方法】対象は,2008-2010年に健診を受診した成人健康調査対象者の中で肝疾患(B型およびC型慢性肝疾患,自己免疫性肝疾患,HCC)と常習飲酒者(男性:20g/日以上,女性:10g/日以上)を除外した1072名(男性333名,女性739名)である.腹部超音波所見と除外基準に基づき診断したNAFLD症例において,血中の肝線維化マーカーと生活習慣関連因子およびインスリン抵抗性 (空腹時採血)との関連について解析を行った.【成績】1) 367名(対象の34.2%)がNAFLDと診断され,225名(61.3%)が女性,平均年齢は68.7歳であった.2) NAFLDの有病率に独立して寄与する因子のオッズ比(95%信頼区間)は,BMIが+1kg/m2当たり1.27 (1.21-1.33),糖尿病が1.7 (1.18-2.46),ALTが+10U/L当たり1.78 (1.40-2.25),放射線量1Gyが1.5 (1.08-2.09)であった.3) NAFLD症例において,ヒアルロン酸値は,女性,年齢,BMI,過去の喫煙,糖尿病,AST値と有意な正の関連,4型コラーゲン値は,BMI,現喫煙,糖尿病,AST値と有意な正の関連を示した.4) さらに糖尿病症例を除いた解析では,ヒアルロン酸値は総アディポネクチン値と正の関連,4型コラーゲン値はHOMA-IRと正の関連を示した.【結語】これらの結果は,NAFLDの肝線維化程度は,肥満,喫煙歴,糖尿病,AST値の上昇と独立して関連しており,さらにインスリン抵抗性が関与することを示唆している.現在,他のアディポサイトカインおよび炎症性サイトカインも含めて肝線維化との関連について解析を進めている.
索引用語 NAFLD, 肝線維化