セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)NAFLD・NASH4 |
---|---|
タイトル | 肝P-143:ASH/NASH肝癌の臨床像と合併症に関する検討 |
演者 | 大山 賢治(鳥取大附属病院・がんセンター) |
共同演者 | 孝田 雅彦(鳥取大・機能病態内科), 前田 直人(山陰労災病院・消化器内科), 三好 謙一(鳥取大・機能病態内科), 木科 学(鳥取大・機能病態内科), 藤瀬 幸(鳥取大・機能病態内科), 加藤 順(鳥取大・機能病態内科), 徳永 志保(鳥取大・機能病態内科), 植木 賢(鳥取大・機能病態内科), 岡本 欣也(鳥取大・機能病態内科), 法正 恵子(鳥取大・機能病態内科), 岡野 淳一(鳥取大・機能病態内科), 村脇 義和(鳥取大・機能病態内科) |
抄録 | 【目的】近年ウイルス以外の原因による肝硬変が注目され,アルコールや肥満,糖尿病などの生活習慣の関与が指摘されている.今回ASH/NASHによる肝硬変からの発癌に関して合併症をもとに臨床的特徴を検討した. 【方法】1998年1月から2012年12月までの15年間に当科に入院した肝硬変患者697例のうち,アルコール性およびNASH関連(HBs抗原/HCV抗体陰性かつPBC,AIHなどを除いた)の186例を対象とした.エタノール換算で20g/日を超える飲酒歴のあるものをアルコール性,20g/日以下をNASH関連とした.アルコール性のうち肝癌を伴わないものをAL-N,伴うものをAL-T,NASH関連のうち肝癌を伴わないものをNS-N,伴うものをNS-Tと分類した. 【成績】内訳は,AL-N87例,AL-T 59例,NS-N17例,NS-T23例であった.平均年齢はそれぞれ60.5歳,67.7歳,70.1歳,71.5歳とAL-Nでは他群よりも有意に低かった(p<0.05).男性割合はそれぞれ82.8%,94.9%,29.4%,52.2%とアルコール性で高く,AL-TではAL-Nと比較して有意に高かった(p<0.05).BMIはそれぞれ22.7,23.3,23.2,25.1,高血圧合併率はそれぞれ40.7%,52.5%,52.9%,60.9%,高脂血症合併率はそれぞれ11.6%,8.5%,11.8%,21.7%であった.糖尿病合併率はNS-Tで82.6%とAL-Nの37.2%,AL-T の57.6%,NS-Nの23.5%と比較してきわめて高率であった(p<0.05).多変量解析では,全症例で年齢と糖尿病合併,アルコール性で年齢,NASH関連で糖尿病合併が肝癌関連因子であった(p<0.01). 【結論】アルコール性肝硬変のうち肝癌関連因子と考えられるのは年齢,性別(男性),糖尿病合併,NASH関連肝硬変では糖尿病合併であった.ASH/NASH関連肝硬変のフォローアップを行う上で糖尿病合併の有無は非常に重要であり,糖尿病合併例では常に肝癌の存在を念頭においた診療を行うことが必要であると考えられた. |
索引用語 | NASH, 肝癌 |