セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
NAFLD・NASH4
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タイトル |
肝P-145:糖尿病を合併する肝疾患患者のがん有病率とがん関連因子
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演者 |
川口 巧(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器疾患情報) |
共同演者 |
國府島 庸之(国立九州医療センター・肝臓病センター), 市川 辰樹(長崎大・消化器内科), 清家 正隆(大分大附属病院・肝疾患相談センターDELIMITER大分大・1内科), 井手 康史(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 水田 敏彦(佐賀大附属病院・肝臓・糖尿病・内分泌内科), 本田 浩一(大分大・1内科), 中尾 一彦(長崎大・消化器内科), 中牟田 誠(国立九州医療センター・肝臓病センター), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科DELIMITER久留米大・消化器疾患情報) |
抄録 |
【目的】糖尿病はがんを含む様々な合併症の発症に関与するが,糖尿病を有する慢性肝疾患患者におけるがんの実態は不明である.本研究の目的は,糖尿病を合併する慢性肝疾患患者におけるがんの有病率とがん関連因子を検討することである.【方法】2012年7月~11月に4県5地域の医療機関を受診した糖尿病を合併する肝疾患患者478名(年齢64.3±12.1; 男/女291/187; BMI 24.5±4.2; HCV 223/NAFLD 191/Alcohol 69/HBV 41/AIH 34/PBC 14/Others 11:重複有)を対象とした.糖尿病の状態と抗糖尿病薬に関する情報を収集するとともに,心血管疾患とがんの合併について調査した.また,がんに関連する因子を多変量解析にて検討した.【成績】対象者の糖尿病診断年は2005±6.0年,空腹時血糖 135.7±44.4mg/dL,HbA1c 6.5±0.9%であった.抗糖尿病薬の処方率は66.5%であり,薬剤別の検討ではDPP4阻害剤26.3%,SU剤17.0%,インスリン製剤16.9%であった.心血管疾患の有病率は6.0%であり,全がんの有病率は33.3%であった.がんの部位別の検討では,肝がん33.3%,消化器がん5.6%,消化器以外のがん6.6%であった.肝がんに関連する独立因子は,年齢,HBV感染,HCV感染,飲酒,インスリン製剤の使用(OR 1.72, 95%CI 1.02-2.88, P<0.04)であった.また,消化器がんに関連する独立因子は,年齢,HbA1c,SU剤の使用(OR 4.21, 95%CI 1.79-9.64, P=0.001)であった.【結論】本研究により,糖尿病合併肝疾患患者では肝がんの有病率が高いことが明らかとなった.また,消化器がんと消化器以外のがんの有病率は心血管系疾患の有病率と同等であった.さらに,加齢,肝炎ウイルス,飲酒,糖尿病に加えて,抗糖尿病治療薬と肝がんおよび消化器がんの関連が示唆された. |
索引用語 |
糖尿病, がん |