セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

NAFLD・NASH5

タイトル 肝P-146:

非アルコール性脂肪性肝炎と単純性脂肪肝の鑑別に有用なマーカーの検討

演者 伊藤 隆徳(大垣市民病院・消化器内科)
共同演者 熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科), 桐山 勢生(大垣市民病院・消化器内科), 谷川 誠(大垣市民病院・消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院・消化器内科), 豊田 秀徳(大垣市民病院・消化器内科), 金森 明(大垣市民病院・消化器内科), 北畠 秀介(大垣市民病院・消化器内科), 多田 俊史(大垣市民病院・消化器内科), 新家 卓郎(大垣市民病院・消化器内科), 長谷川 綾平(大垣市民病院・消化器内科), 安藤 祐資(大垣市民病院・消化器内科), 山本 健太(大垣市民病院・消化器内科), 田中 達也(大垣市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は予後良好な単純性脂肪肝(SS)と肝硬変から肝癌に至る危険性のある非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を含む概念である.今回SSとNASHの鑑別に有用な血清マーカーとNASHの中で線維化進行例と軽度線維化例の鑑別に有用な血清マーカーの検討を行った.【方法】「検討1」当院で肝生検が施行されたNASH75例とSS70例を対象とし,一般末梢血・生化,ヒアルロン酸(HA),IV型コラーゲン,インスリン,フェリチン,Total CK18,Fragmented CK18,hTIMP-1,hMMP-2,FIB-4 indexの検討を行った.「検討2」NASHを軽度線維化例(F0~F2)53例と線維化進行例(F3~F4)22例に対し同様の検討を行った.【成績】「検討1」NASHとSS間に有意差が認められたのは年齢,Hb,CRP,AST,ALT,AST/ALT,Fib-4であり,多重ロジスティック解析ではAST/ALT,Fib-4 indexが鑑別に寄与する因子として選択された.その中でROC解析を行いAUCROCが最大であったのはFib-4 index(0.75)でありAST/ALTに対して有意差が認められた(P<0.0001)「検討2」NASH軽度線維化例(F0~F2)と線維化進行例(F3~F4)間に有意差が認められたのは血小板,Hb,AST/ALT,γGTP,Glu,LDL-C,インスリン,HA, IV型コラーゲン,FIB-4 indexであり,多重ロジスティック解析では血小板,インスリン, IV型コラーゲンが鑑別に寄与する因子として選択された.その中でROC解析を行いAUCROCが最大であったのは血小板(0.79)であったが他の2因子に対し有意差は認めなかった.【結論】今回の検討においてNASHとSSの鑑別に最も有用であったのはFib-4 indexであった.また肝生検を施行できない例でもNASHが強く疑われ,かつ血小板低値・インスリン高値・IV型コラーゲン高値である場合は高危険群NASHとして治療介入,厳重な経過観察が必要である.
索引用語 NASH, SS