セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)NAFLD・NASH5 |
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タイトル | 肝P-150:NASH診断における肝硬度測定の有用性‐ARFIによる検討‐ |
演者 | 嶋崎 宏明(藤田保健衛生大・肝胆膵内科) |
共同演者 | 川部 直人(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 橋本 千樹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 原田 雅生(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 村尾 道人(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 新田 佳史(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 中野 卓二(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 水野 裕子(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 菅 敏樹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 中岡 和徳(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 大城 昌史(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 高川 友花(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 青山 和佳奈(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 西川 徹(藤田保健衛生大・肝胆膵内科), 吉岡 健太郎(藤田保健衛生大・肝胆膵内科) |
抄録 | 【目的】非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)から非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と単純性脂肪肝(SS)の鑑別診断を行うことは臨床上重要であるが,NASHの確定診断には侵襲的な肝生検による病理組織診断が必須である.肝線維化の非侵襲的評価法であるtransient elastographyは肥満症例では測定不能になることも少なくないが,Acoustic Radiation Force Impulse (ARFI)によるせん断波の伝播速度(Velocity of shear wave; Vs)測定は肥満による測定不能例が比較的少ない.本研究ではNAFLDにおけるARFIによる肝硬度測定の有用性およびNASHの鑑別診断について検討を行った.【方法】腹部超音波検査にて脂肪肝の所見を認めた192例(男性106例,女性86例,56.6±16.0歳,BMI 26.28±3.46,病理組織診断にて確定診断されたNASH 9例) につきACUSON S-2000 (Siemens)を用いてVs(m/s)測定を行った.HCV・HBV感染症,アルコール性肝障害,自己免疫性肝疾患は除外した.【成績】各種肝線維化マーカー(ヒアルロン酸,血小板,PT,AST,ALT)とVsとの検討では,ヒアルロン酸(r=0.6186),AST(r=0.4957),ALT(r=0.2854)とは正の相関を認め,血小板(r=-0.3302),PT(r=-0.5985)とは負の相関を認めた(p<0.005~p<0.0001).NASHのVs 2.11(1.62-2.74)は,それ以外の症例のVs 1.13(1.01-1.34)に比べ有意に上昇していた(p<0.0001).NASHの診断能についてROCによりVsと肝線維化マーカー(ヒアルロン酸,血小板,PT,AST,ALT)を比較すると,VsはCut-off値1.54,AUROC 0.89344,感度89%,特異度85%,陽性的中率22%,陰性的中率99%となり,他の肝線維化マーカーも含めた検討で最も高いAUROCを認めた.【結論】Vsは各種肝線維化マーカーと良好な相関を認めた.NASHではそれ以外の症例と比べ有意にVsが高く,NASH診断能のAUROCも高くNASH診断に有用と考えられた. |
索引用語 | NASH, ARFI |