セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝循環・門脈圧亢進症2

タイトル 肝P-155:

肝硬変例に対するPSE・脾臓摘出術による血小板増加および肝機能改善効果に関する検討

演者 糸山 明莉(熊本大大学院・消化器外科学)
共同演者 林 洋光(熊本大大学院・消化器外科学), 別府 透(熊本大大学院・消化器外科学DELIMITER熊本大附属病院・消化器癌集学的治療学), 近本 亮(熊本大大学院・消化器外科学), 今井 克憲(熊本大大学院・消化器外科学), 新田 英利(熊本大大学院・消化器外科学), 生田 義明(熊本大大学院・消化器外科学), 橋本 大輔(熊本大大学院・消化器外科学), 石河 隆敏(熊本大大学院・消化器外科学), 馬場 秀夫(熊本大大学院・消化器外科学)
抄録 【はじめに】肝硬変に伴う脾機能亢進症に対して部分的脾塞栓術(PSE)や脾臓摘除術(Spx)が行われ,主効果の血小板数増加だけでなく副次的な肝機能改善効果も示唆されている.今回PSE, Spxの血小板増加および肝機能改善効果に関する臨床的有用性および予測因子と合併症等の差異について検討した.【方法】PSEを行った83例(1999年~2009年)と,Spx(2008年~11年)を行った33例が対象.PSE後に肝組織(非癌部)が得られた2症例でPCNAの免疫組織染色を行った.【結果】PSE群の平均脾梗塞体積と梗塞率はそれぞれ428±244mLと76±12%.Spx群の平均脾体積は660±438mL.PSEにより血小板数(×104/μl)は術前4.7±1.5から1か月後に12.6±6.4,1年後に10.5±3.4へ増加.一方,Spx群では術前5.2±1.7から1か月後に21.0±11.5,1年後に14.1±5.8へ増加.肝機能について術後1年後のAlb値(g/dL)とChE値(IU/L)は両群において改善した(PSE群ではAlbが3.4±0.5→3.6±0.5,ChEが75.5±27.9→96.5±44.1,Spx群ではAlbが3.6±0.4→3.7±0.5,ChEが159±64→185±80).PSE後肝組織ではPCNA発現の増加を認めた.血小板増加効果はPSEにおける脾梗塞体積およびSpxにおける術前脾体積と有意な正の相関関係を認めた.肝機能改善効果は,PSEにおける術前体積600mL以上の群で600mL以下の群と比して,有意なChE改善効果を認めた(P = 0.029).合併症に関してPSE後に14.5%,Spx後に24.2%認めた.【考察】PSE, Spx後には血小板増加効果だけでなく肝機能改善効果も認め,その得られる効果予測に術前脾体積が有用であることが示唆された.また,PSE後の肝機能改善効果にはPCNA発現増加に示される肝細胞増殖効果が関与する可能性が示唆された.血小板増加効果はPSEに比べてSpxが有効であるが,合併症率はSpxでやや高い傾向にあり,治療法の選択には必要な血小板増加数や全身状態を加味した総合的な判断が必要と考えられる.
索引用語 脾機能亢進症, 肝機能