セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝循環・門脈圧亢進症2

タイトル 肝P-157:

Partial Splenic Embolization(PSE)の長期予後の検討

演者 宮田 英治(北里大東病院・消化器内科)
共同演者 日高 央(北里大東病院・消化器内科), 川岸 加奈(北里大東病院・消化器内科), 高田 樹一(北里大東病院・消化器内科), 田中 賢明(北里大東病院・消化器内科), 奥脇 裕介(北里大東病院・消化器内科), 中澤 貴秀(北里大東病院・消化器内科), 渋谷 明隆(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科), 松永 敬二(北里大東病院・放射線科), 國分 茂博(順天堂大練馬病院・消化器内科)
抄録 【目的】PSEを施行した肝硬変症例の長期予後を明らかにすること.【方法】1990年7月から2012年1月の期間に当院にてPSEを施行された113例を対象とし,予後ならびに予後因子について検討を行った.さらに追加治療としてインターフェロン(IFN)が導入された症例についての持続ウイルス陰性化(SVR)率を検討した.平均年齢58.4±10.1歳,性別(男/女):68/ 45,HBsAg陽性15例,HCV抗体陽性84例,alcohol 4例,その他 12例,治療前血小板4.4±1.7万,Child-Pugh Grade A/B/C:53/59/1,HCC合併例45例であった.PSE後にIFNを導入した症例は21例(type1a 1例,type1b 13例,type2a 5例,type2b 2例)であり,導入時の平均年齢58.3±8.2歳,性別(男/女):12/9,治療前のウイルス量4.4±2.2logIU/L,治療前ALT77±93IU/Lであった.PSEの方法はマイクロカテーテルで可能な限り脾動脈分枝まで挿入し,2-4mm角のゼラチンスポンジを用いて50から60%の梗塞率を目標に施行した.【結果】梗塞率54.1±12.7%,観察期間(中央値) 1263日(16-5488),PSE後の5年生存率は50.9%であった.予後因子の解析では多変量解析において,PSE後2週間目の血小板2倍以上の増加が有意な予後良好因子であった(p=0.005 OR:0.46, 95%CI 0.25-0.85).PSE術後の血小板が2倍以上増加した群は,術後1年のアルブミンや総ビリルビンの値に有意差(p<0.05)を認めた.PSE後に施行されたIFN療法のSVR率は48%(12/25)で,1a 0%(0/1),1b 26%(4/15),2a 100%(7/7),2b 50%(1/2)であり,1型に比べて2型に有意(p=0.014)に高い奏効を認めた.発癌症例は5例(1a 1例,1b 2例,2a 2例),IFN奏効の有無とHCCの発生には有意差がなかった.【結語】肝硬変においてPSE後2週間目の血小板の増加率が予後を決定する可能性がある.また2型など奏効が期待される症例は積極的にPSEを行い,IFN導入を検討する事が望ましい.
索引用語 PSE, 門脈圧亢進症