セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝硬変・肝線維化1 |
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タイトル | 肝P-159:アディポサイトカインSecreted frizzled-related prtein5 (Sfrp5) のマウス肝線維化における意義 |
演者 | 茶谷 徳啓(大阪大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 鎌田 佳宏(大阪大大学院・消化器内科学), 古田 訓丸(大阪大大学院・消化器内科学), 木津 崇(大阪大大学院・消化器内科学), 柄川 真弓(大阪大大学院・消化器内科学), 濱野 美奈(大阪大大学院・消化器内科学), 江崎 久男(大阪大大学院・消化器内科学), 木曽 真一(大阪大大学院・消化器内科学), 吉田 雄一(大阪大大学院・消化器内科学), 竹原 徹郎(大阪大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【背景と目的】肥満は肝線維化を促進するが,その過程でアディポサイトカインが重要な役割を担っている.Wntシグナル阻害作用を持つSfrp5は新規アディポサイトカインとして近年同定された.一方,Wnt5aおよびその受容体Fr2発現が肝線維化過程で著明に上昇すること,Wnt5aが線維化促進に働くJNKを活性化させることが報告されている.しかし,Sfrp5の線維化過程における働きはいまだ不明である.そこで我々はSfrp5の肝線維化における役割をSfrp5-KO (KO)マウスおよび,肝星細胞(HSC)を用いて検討した.【方法】1)急性肝障害モデル:8週齢♂KOマウス,C57BL6J(WT)マウスを用いた.四塩化炭素(CCl4)1回腹腔内投与(0.5ml/kgbw)し経時的に肝JNKリン酸化をウェスタンブロットで比較検討した.2)肝線維化モデル:8~12週齢♂KO,WTマウスにCCl4を腹腔内投与(0.5ml/kgbw,2回/週,6週間)し,sirius red染色で肝線維化を評価した.3)WTマウス肝臓より分離培養したHSCを,TGF-β,Wnt5a,Sfrp5で刺激し,JNKリン酸化をウェスタンブロット,遺伝子発現をrealtime RT-PCR,遊走能をwound healing assay,増殖能をWST assayで検討した.【結果】1)JNKリン酸化がKOマウス肝臓で亢進していた.2)KOマウスの肝線維化領域がWTマウスと比較し約2倍と有意に増加していた(p<0.005).3)HSCにTGF-β,Wnt5aを添加することでJNKリン酸化を認めた.Wnt5a刺激により線維化関連遺伝子発現が誘導された.また,Wnt5a刺激による遊走能亢進を認め(p<0.05),Sfrp5を追加することで阻害された.さらにHSC増殖もWnt5a刺激により亢進し(p<0.05),その効果はSfrp5により完全に阻害された(p<0.05).【結論】Sfrp5 KOマウスでは,相対的なWnt5a作用増強によりHSCが活性化し,肝線維化の増悪を引き起こした可能性が示唆された.Sfrp5はWnt5aの作用を阻害し肝線維化に保護的に作用すると考えられた. |
索引用語 | Sfrp5, 肝線維化 |