セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝硬変・肝線維化1

タイトル 肝P-163:

肝硬変患者におけるサルコペニアの検討

演者 華井 竜徳(岐阜大・消化器病態学)
共同演者 白木 亮(岐阜大・消化器病態学), 宮崎 恒起(岐阜大・消化器病態学), 今井 健二(岐阜大・消化器病態学), 末次 淳(岐阜大・消化器病態学), 清水 雅仁(岐阜大・消化器病態学), 森脇 久隆(岐阜大・消化器病態学)
抄録 【目的】肝臓は蛋白,糖質,脂質代謝の中心臓器であるため,肝硬変患者において低栄養状態は高頻度に合併すると報告されている.肝硬変患者での上腕筋周囲(AMC)や握力の測定は,栄養状態の評価に有用であり,また予後にも関与するとの報告を散見する.近年,高齢化に伴うサルコペニアの合併が患者のQOLおよび予後に影響を及ぼすため関心が高まっているが,肝硬変患者におけるサルコペニアについて評価検討した報告は少ない.今回,我々は肝硬変患者におけるサルコペニア合併の頻度とその予測因子について検討したので報告する.【方法】当院入院中の肝硬変患者126例を対象とした.患者背景は男性81名,女性45名,平均年齢は75歳,Child-Pugh分類ではChild Aが86例,Bが32例,Cが8例であった.原因疾患はB型肝硬変7例,C型肝硬変95例,アルコール性肝硬変13例,その他11例.肝細胞癌合併患者は90例であった.サルコペニアの診断として筋肉量の低下をAMC25パーセンタイル未満,筋力の低下を握力(男性<30kg,女性<20kg)で評価した.【成績】肝硬変患者において筋肉量の低下を約21%,筋力の低下を56%,両者が低下するサルコペニアを約15%に認めた.サルコペニアの予測因子としてロジスティック解析による単変量解析では男性(P=0.0070),BMI(P=0.0187),Child C(0.0127),ALB(P=0.0296)が抽出され,多変量解析では男性(OR:37.1,P=0.0133),BMI(OR:0.59,P=0.0031),Child C(OR:179.2,P=0.0014)のみ有意差を認めた.BMI18.5未満では約63%がサルコペニアであり,BMI25以上の肥満症例においても約21%にサルコペニアを合併していた.【結論】男性,BMI,肝機能は独立したサルコペニアの予測因子であるが,肥満症例においてもサルコペニアは存在し今後介入を要すると考えられた.
索引用語 肝硬変, サルコペニア