セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝硬変・肝線維化2 |
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タイトル | 肝P-166:肝硬変患者における肝予備能と血中カルニチン濃度の関係 |
演者 | 柴田 英貴(長崎大・消化器内科DELIMITER長崎大病院・医療教育開発センター) |
共同演者 | 市川 辰樹(長崎大・消化器内科), 宮明 寿光(長崎大・消化器内科), 吉村 映美(長崎大・消化器内科), 高原 郁子(長崎大・消化器内科), 妹尾 健正(長崎大・消化器内科), 内田 信二郎(長崎大・消化器内科), 加茂 泰広(長崎大・消化器内科), 本田 琢也(長崎大・消化器内科), 田浦 直太(長崎大・消化器内科), 竹島 史直(長崎大・消化器内科), 中尾 一彦(長崎大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】カルニチンは生体内で脂肪酸代謝に必須の物質であり,長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への輸送や,細胞内有害物質の除去・排泄に関与しているとされている.生体内のカルニチンは98%が骨格筋に存在しており,血中カルニチン濃度測定の意義はまだ十分に検討されていない.肝臓は脂肪酸代謝に重要な臓器であることから血中カルニチンが肝疾患患者の病態の指標となりうる可能性があり,これを評価することを目的とした. 【方法】2011年から2013年までに当科を受診した肝硬変患者のうち,血中カルニチン分画(総カルニチン,遊離カルニチン,アシルカルニチン)を測定した86例(男性44名,女性42名)を対象とした.年齢(平均 58.2歳),BMI(平均 23.77),各種採血を行い,血中カルニチン分画と各種臨床データーとの関連を調査,肝予備能の指標としてはChild-Pugh(C-P)score,MELD scoreを用いた.また,健康関連QOLの評価としてSF-36v2日本語版を用いた. 【成績】いずれのカルニチン分画・分画比も性別による差は認めず,年齢や体重,BMIとの関連も認めなかった.肝予備能との関連では,特にアシルカルニチンがChild-Pugh score(r = 0.3201,P = 0.00266),MELD score(r = 0.4501,P = 0.00001)と関連を認めた.腎機能との関連については,アシルカルニチンは推算式GFR(r = -0.3066,P = 0.0041)と負の相関を認めた.またアンモニアや遊離脂肪酸,総分岐鎖アミノ酸チロシンモル比についてはいずれの分画・分画比とも関連を認めなかった.さらにSF-36v2を回収できた71名の群においてアシルカルニチン濃度は身体的側面のQOLサマリースコアであるPCS:Physical component summaryと負の相関(r = -0.2427,P = 0.041)を示した. 【結語】肝硬変患者における血中アシルカルニチン濃度は肝予備能,腎機能だけでなく身体的側面のQOL低下の指標となり得る. |
索引用語 | 肝硬変, カルニチン |