セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝不全・栄養療法1 |
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タイトル | 肝P-170:慢性肝疾患における呼吸商,エネルギー消費量と体組成,臨床検査値との関係 |
演者 | 杉本 龍亮(三重大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 原 なぎさ(三重大附属病院・栄養指導室), 岩田 加壽子(三重大附属病院・栄養指導室), 宮地 洋英(三重大大学院・消化器内科学), 諸岡 留美(三重大大学院・消化器内科学), 田中 秀明(三重大大学院・消化器内科学), 山本 憲彦(三重大大学院・消化器内科学), 藤田 尚己(三重大大学院・消化器内科学), 小林 由直(三重大保健管理センター), 岩佐 元雄(三重大大学院・消化器内科学), 竹井 謙之(三重大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【背景】肝硬変患者は蛋白・エネルギー低栄養(PEM)を合併し,これが予後規定因子となっている.間接熱量計による呼吸商(RQ),安静時エネルギー消費量(REE)の測定はPEM状態の把握やエネルギー投与量の設定に有用であり,これらは肝硬変の栄養評価に必須である.しかし,RQやREEは骨格筋量や体脂肪量といった体組成に一部規定されるほか,進行癌におけるRQの低下が指摘されている.そこで,慢性肝疾患におけるRQ,REE測定値と臨床所見の関連,REE実測値と予測値との相関を検討した.【方法】対象は慢性肝疾患36例(男性27例,女性9例,年齢65±9歳)で,その内訳は脂肪性肝疾患3例,慢性肝炎12例,肝硬変21例(肝癌合併○例)であった.方法は早朝空腹時,仰臥位安静の後,間接熱量計(エアロモニタAE310)を用いてRQ,REEを実測し,多周波インピーダンス法(Inbody720)を用いて,体重,体脂肪量,骨格筋量,内臓脂肪量,細胞外水分(ECW)率,体細胞量,基礎代謝(BMR)を測定した.また,Harris-Benedict式による基礎エネルギー消費量(BEE),日本人の簡易式(簡易BEE)を算出し,実測値との比較を行った.【結果】RQと体組成値においては,ECW率のみが有意な相関関係(r=-0.343,P<0.05)を示した.RQと血液検査値では,Alb,ChE,CRPが有意な相関関係を認め(r=0.395,r=0.379,r=-0.464,P<0.05),多変量解析ではCRPのみがRQの規定因子と判定された.REEとBEE,簡易BEE,BMRの相関関係については,すべて良好な正相関(r=0.827,r=0.827,r=0.854,P<0.001)を認めたが,多変量解析では,BMRが最も有用と判定され,肝疾患では体組成(除脂肪量)を加味することが重要と考えられた.【結語】RQはECW率,Alb,ChEのほかCRPとも相関し,栄養状態,治療侵襲などによる炎症を反映していた.肝疾患では体組成を加味したBMRによりREEが代用できる. |
索引用語 | 慢性肝疾患, 間接熱量計 |