セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

肝再生・その他

タイトル 肝P-181:

内科医としていかに肝移植適応を考えていくべきか?-当院での肝移植症例からの考察

演者 石上 雅敏(名古屋大附属病院・消化器内科)
共同演者 小倉 靖弘(名古屋大大学院・移植・内分泌外科学), 後藤 秀実(名古屋大附属病院・消化器内科)
抄録 【背景】2010年7月の改正臓器移植法施行以来,脳死下臓器提供が飛躍的に増加したが未だ希望者の大多数が受けられていない.そのため本邦では生体肝移植が大多数を占めているが,生体ドナーへのリスクを考慮,それに見合う適正な適応が求められると考える.今回我々は当院での成人肝移植症例につきまとめ,内科医としていかに適応を考えていくかを考察する.【対象患者】2003年4月から2013年3月までに行った成人肝移植104例,うち生体肝移植89例,脳死肝移植15例を対象とした.脳死肝移植における検討では2000年より2013年3月までに登録を行った166例も検討対象に加えた.年齢中央値は53歳,男性59例,女性45例,原因疾患ではHCV28例,HBV22例,PBC18例,その他36例であった.HCC合併例が39例であった.【結果】(1)脳死肝移植登録した症例のうち実際に受けられた症例は8.3%(15/181),取消例を除いた本来受けるべきであったが受けられなかった症例が57.4%(104/181)であった.(2)レシピエント年齢が有意な肝移植後生存率に寄与する独立因子であった(p=0.016,HR:1.080).(3)HBV関連症例では核酸アナログ+HBIg併用療法でのHBV再発率は3.6%(1/28)であった.HBワクチンはHBc抗体ドナー陽性例でHBVキャリア例より有効性が高かったが(p<0.001),有効例における核酸アナログ中止例でワクチンエスケープ変異が認められた.(4)HCV症例では12例でPEG-IFN+Rib併用療法を導入.Genotype1ではSVRは20%(2/10),それ以外は2例ともSVRを得た.観察期間中央値45.5ヶ月で1例もF2以上の症例は認められていない.(5)PBC,AIH,PSC症例では明らかな再発例はないが,PSC症例の3例にUCの悪化を認めた.(6)HCC症例ではミラノ基準内外での再発率に傾向を認めたのみ(p=0.087)でKyoto,Kyushuなど腫瘍マーカーを加えた基準で強い有意差を認めた(p=0.004).【結語】 当院での成人肝移植症例の検討を通じ,脳死肝移植の問題点,また各疾患における適応で考慮すべき点等を議論したい.
索引用語 肝移植, 適応