セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)肝再生・その他 |
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タイトル | 肝P-183:肝細胞癌患者におけるmonocytesの役割について |
演者 | 土本 雄亮(大阪医大・2内科) |
共同演者 | 朝井 章(大阪医大・2内科DELIMITER大阪医大附属病院・中央検査部), 大濱 日出子(大阪医大・2内科), 福西 新弥(大阪医大・2内科), 津田 泰宏(大阪医大・2内科), 福田 彰(大阪医大・2内科), 樋口 和秀(大阪医大・2内科) |
抄録 | [目的]集学的に治療されているにも関わらず難治性である肝細胞癌でも,他の癌同様,通常細胞傷害性単球/macrophage(M1単球/Mφ)やT細胞(CTL)或いはNK細胞などが中心となり腫瘍に対する免疫監視機構を担っている.しかし担癌患者,担癌予備患者においては,諸々の免疫抑制因子や抑制細胞を認め,抗腫瘍免疫が働かない.末梢血単球とそれから分化するMφは個体の抗腫瘍免疫の主要effector細胞であるM1単球/Mφと,それを強力に抑制するM2単球/Mφの2種類に大別されるが,腫瘍周囲に認められる腫瘍随伴Mφ(TAM)はM2Mφであると判明している.更にM2単球/MφはM2a単球/Mφ,M2b単球/Mφ,M2c単球/Mφの3つのsubtypeがあると報告されており,肝細胞癌周囲に認められる単球/Mφがどのsubtypeかは未だ不明である.今回我々は,様々な肝細胞癌患者の末梢血単球のsubtype 及び肝細胞癌に対する効果を検討した.[方法] 肝細胞癌患者末梢血から単離した単球の細胞内IL-12,IL-10をFlow cytometryにて調べ,又48時間培養した後,回収した培養上清中のIL-12,IL-10,CCL17,CCL1,CXCL13をELISAにて測定した.更に単球の肝癌細胞に対する効果を調べるため,同患者の肝癌細胞と供培養した.それらの単球を上清交換下にて培養した後,CpG DNA刺激を行い,培養上清中のIL-12,IL-10量及び抗腫瘍効果を検討した.[結果] 進行肝細胞癌患者の単球は抗腫瘍免疫効果を持たず,CCL1を産生するM2b単球であった.その単球を上清交換後CpG DNAで刺激したところ,M1単球に変化し,抗腫瘍効果を認めていた.[結語] 進行した肝細胞癌患者ではM2b単球が優位に産生されており,それが肝細胞癌の進展に関与している可能性があると考えられ,そのsubtypeを変更する事により肝細胞癌の進展を抑制できる可能性があると考えられた. |
索引用語 | 肝細胞癌, 単球 |