セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-発癌1

タイトル 肝P-187:

C型肝硬変症例の肝発癌とPNPLA3遺伝子多型の関連性の検討

演者 馬場 伸介(香川県立中央病院・肝臓内科)
共同演者 高口 浩一(香川県立中央病院・肝臓内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院・肝臓内科), 永野 拓也(香川県立中央病院・肝臓内科), 渡邊 精四郎(香川県立中央病院・中央検査部), 池田 房雄(岡山大・消化器・肝臓内科), 山本 和秀(岡山大・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】PNPLA3 rs738409 C>G polymorphismが肝臓での脂肪蓄積(triglyceride含量増加)に関係するといわれている.さらに最近では肝細胞癌(HCC)発症の予測因子との報告もある.今回我々は,C型肝硬変症例の肝発癌とrs738409の遺伝子型との関連性について検討した.【方法】2005年1月から2010年12月の間にHCCと診断されたC型肝炎関連HCC症例の中で,C型肝硬変関連HCC(HCC-LCC)と考えられる,アルブミン(Alb)3.5 g/dl以下かつ血小板(PLT)10万/μl以下の17例(男7,女10,平均年齢64.8±11.0歳(35~79))とHCCを合併していないC型肝硬変(LCC)14例(男5,女9,平均年齢65.4±11.3歳(45~87))を対象とした.対象症例のrs738409の遺伝子型と臨床所見,肝発癌との関連性について検討した.【成績】HCC-LCC 17例とLCC 14例のAlbとPLTについて,HCC-LCCではAlb=3.2±0.3g/dl,PLT=6.4±2.0万/μl,に対してLCCではAlb=3.4±0.5g/dl,PLT=7.2±2.7万/μlとなり,2つの集団においてAlbとPLTに有意差がないことを確認した.続いてrs738409の遺伝子型について比較したところLCC 14例ではGG/CG/CC=1/7/6に対してHCC-LCC 17例ではGG/CG/CC=7/8/2となり,HCC合併症例ではrs738409の遺伝子型がGGとなる割合が高いといえる.【結語】C型肝硬変症例においてrs738409の遺伝子型がGGの場合にはHCCの合併頻度が高く,注意深く経過観察を行う必要があると考えられる.
索引用語 C型肝硬変関連HCC, PNPLA3遺伝子多型