セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-診断1

タイトル 肝P-195:

当院における非B非C肝細胞癌の臨床像

演者 叶川 直哉(千葉大附属病院・消化器内科)
共同演者 小笠原 定久(千葉大附属病院・消化器内科), 元山 天佑(千葉大附属病院・消化器内科), 鈴木 英一郎(千葉大附属病院・消化器内科), 大岡 美彦(千葉大附属病院・消化器内科), 太和田 暁之(千葉大附属病院・消化器内科), 千葉 哲博(千葉大附属病院・消化器内科), 金井 文彦(千葉大附属病院・消化器内科), 横須賀 收(千葉大附属病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院における非B非C肝細胞癌症例から,臨床的な特徴を明らかにし,リスク因子を同定する.【方法】2000年4月から2012年3月までに当科にて加療を行った肝細胞癌症例774例を対象とし,C型肝炎ウイルスを背景としたHC群(548例),B型肝炎ウイルスを背景としたHB群(121例),いずれも陰性である非B非C群(105例)に分け,後ろ向きに患者因子,腫瘍因子別に分け,比較検討した.【結果】HC群,HB群,非B非C群における年齢中央値は75歳,66歳,75歳で,男性の割合は74%,76%,76%,診断時の最大腫瘍径中央値は22mm,25mm,31mm,平均腫瘍数は2.2結節,1.2結節,2.9結節,多発例(7結節以上)は14%,9%,31%であった.非B非C群の内訳はアルコール性(アルコール30g/日5年以上摂取)45例,AIH 6例,PBC 3例,cryptogenic 51例で,高血圧,糖尿病,脂質異常症の有病率が56%,69%,81%,インスリン抵抗性を示すHOMA-IRの平均値は6.4,フェリチン値(平均値)は275.5 ng/mlと高値であった.また,肝線維化予測式であるAPRI,FIB4 index(中央値)は1.3,5.5と高値であり,BMI(平均値)は25kg/m2と肥満傾向が認められた.また,初回治療年月日から非B非C群の全体に占める割合は,2000年から2003年が10%,2004年から2006年が9%,2007年から2009年が17%,2010年から2012年が18%と,増加傾向であった.【考察】非B非C肝細胞癌は増加傾向にあるが,初発時に多発かつ,腫瘍径も大きい傾向が認めるなど進行例が多い.糖尿病,肥満,飲酒等の生活習慣病との関連が示唆され,高齢,男性, 線維化進行例が多い傾向であることから, これら因子が早期発見のためリスク患者の選定の一助になりうる.
索引用語 非B非C肝細胞癌, リスク因子