セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-診断1

タイトル 肝P-196:

非B非C肝癌の予後についての検討

演者 阿座上 隆広(市立三次中央病院・内科)
共同演者 濱田 敏秀(市立三次中央病院・内科), 中村 真也(市立三次中央病院・内科), 小刀 崇弘(市立三次中央病院・内科), 高場 敦久(市立三次中央病院・内科), 趙 成大(市立三次中央病院・内科), 向井 伸一(市立三次中央病院・内科), 平田 研(市立三次中央病院・内科), 中西 敏夫(市立三次中央病院・内科)
抄録 【目的】近年の肝細胞癌(HCC)患者の特徴として非B非C型(NBNC)の増加が知られているが,当院の最近6年間のHCC患者も37%が(アルコール性を含む)NBNC型である.NBNC型HCC患者の予後因子を検討しその特徴を明らかにする.【方法】2007年から2012年までの6年間にHCCを診断し治療を開始した症例は137例のうち51例(37%)がNBNC症例であった.NBNC症例の予後因子についてLog-rank testおよびCox比例ハザードモデルを用いて比較・検討し,また比較のためB型C型症例86例についても同様の解析を行った.飲酒歴については純エタノール60g以上5年以上と定義した.単変量解析ではP<0.05,多変量解析ではP<0.10を統計学的有意とした.【成績】Log-rank testでは主腫瘍径(≧5cm)[P=0.043],腫瘍個数(≧2個)[P=0.005],T因子(4)[P<0.001],肝外病変の有無(あり)[P<0.001],AFP (≧100ng/mL)[P<0.001],Child-Pugh分類(B-C)[P=0.020],Performance Status (2-4)[P=0.025]が予後不良因子であった.性別,年齢,飲酒歴,肝硬変(or慢性肝炎),糖尿病の有無については有意差を認めなかった.多変量解析(Cox比例ハザードモデル)では,主腫瘍径[P=0.080, HR 4.35, 95%CI 0.84-22.73],肝外病変[P=0.005, HR 9.94, 95%CI 2.01-10.78],AFP[P=0.002, HR 11.42, 95%CI 2.46-59.94],Performance Status[P=0.054, HR 3.25, 95%CI 0.98-10.78]を予後不良因子として抽出した.比較のためにB型C型症例について行った解析では,主腫瘍径,腫瘍個数,肝外病変の有無,Child-Pugh分類,Performance Statusを予後不良因子として抽出した(Cox比例ハザードモデル).【考察】NBNC症例では肝予備能を予後不良因子として抽出しない.NBNCの78%(40例)はアルコール性であるため,HCC初回指摘後の禁酒で速やかに肝予備能の改善を得るものと予想された.検討を追加して発表の予定である.
索引用語 NBNC肝癌, 予後