セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-外科切除 |
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タイトル | 肝P-204:当科におけるASH/NASH肝癌の外科的治療成績 |
演者 | 草野 智一(昭和大病院・消化器・一般外科) |
共同演者 | 村上 雅彦(昭和大病院・消化器・一般外科), 青木 武士(昭和大病院・消化器・一般外科), 山田 宏輔(昭和大病院・消化器・一般外科), 松田 和広(昭和大病院・消化器・一般外科), 古泉 友丈(昭和大病院・消化器・一般外科), 三田村 圭太郎(昭和大病院・消化器・一般外科), 渡辺 誠(昭和大病院・消化器・一般外科), 小池 礼子(昭和大病院・消化器・一般外科), 大塚 耕司(昭和大病院・消化器・一般外科), 榎並 延太(昭和大病院・消化器・一般外科), 加藤 貴史(昭和大病院・消化器・一般外科) |
抄録 | 目的)アルコール消費量の増加・生活習慣病の増加に伴う,アルコール脂肪性肝炎(alcoholic steatohepatitis; ASH)・非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis; NASH)に伴う肝細胞癌の割合が増加してきているが,病因・予後などの臨床像は不明な点が多い.かかる点において,当科におけるASH/NASH肝癌の肝切除例について,臨床病理学的背景を検討したので報告する. 方法)2008年1月から2012年12月までに,当施設において肝細胞癌と診断され,肝切除を施行された症例を,A群:ASH肝癌(12例),N群:糖尿病及び高脂血症に由来したNASHによると思われる肝癌(9例),B群:B型肝炎肝癌(13例),C群:C型肝炎肝癌(37例)の4群に分け,その特徴を比較検討した. 結果)非B非C肝炎肝癌の成因はアルコール性が多く(42.9%),次いで糖尿病(28.6%)であった.AFP中央値は,A群5467ng/ml,N群413ng/ml,B群316ng/ml,C群505ng/mlと,ASH肝癌で優位に高かった.単発の割合は,A群83%,N群88%,B群75%,C群76%で,平均腫瘍径は,A群61.5cm,N群30.4cm,B群59.8cm,C群38.1cmであった.それに伴い,部分切除で済む割合は,A群17%,N群38%,B群17%,C群43%であった.病理組織学的分化度の割合は,高分化:中分化:低分化の順にそれぞれ,A群75.0%:16.7%:8.3%,N群50.0%:50.0%:0.0%,B群15.4%:30.8%:30.8%,C群27.0%:37.8%:32.4%と,ASH/NASH肝癌において高分化型の割合が優位に高かった.再発率は,A群0%,N群0%,B群23.1%,C群18.9%であった. まとめ)ウイルス感染が指摘され発癌前から定期的な検査を組めるウイルス性肝炎肝癌に比べ,ASH/NASH肝癌は,すでに進行した段階で診断されるケースが多くみられると考えられる.しかしながら,根治切除が施行できれば,再発はなく,生存率は比較的良好と考えられ,肝機能異常者においては,ASH/NASH肝癌も念頭に置いたスクリーニングが必要と思われた. |
索引用語 | ASH, NASH |