セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-外科切除

タイトル 肝P-205:

当院における非B非C型肝細胞癌手術症例の臨床的検討

演者 伊能 壮(東部地域病院・外科)
共同演者 矢崎 悠太(東部地域病院・外科), 大久保 悟志(東部地域病院・外科), 岸根 健二(東部地域病院・外科), 佐藤 剛(東部地域病院・外科), 柴田 英貴(東部地域病院・外科), 中谷 晃典(東部地域病院・外科), 北島 政幸(東部地域病院・外科), 渡部 智雄(東部地域病院・外科), 落合 匠(東部地域病院・外科), 西村 和彦(東部地域病院・外科), 二川 俊二(東部地域病院・外科)
抄録 肝細胞癌のうち非B非C型肝細胞癌の占める割合は15%程度と報告されている.一方,当院で過去5年間に経験した肝細胞癌手術症例33例のうち,非B非C型肝細胞癌の手術症例は17例(52%)と多くを占めていた(男性14例,女性3例,手術時平均70.7歳).そこでこれらの症例を臨床病理学的に検討したので報告する.何らかの生活習慣病などの合併は15例(88%)にみられ,その内訳として肥満者7例(42%),糖尿病8例(47%),脂質異常症6例(35%),高血圧症13例(76%),嗜好としてアルコール多飲歴11例(65%)であった.肝機能はChild-Pugh分類でA14例(82%),B3例(18%)であり,肝予備能としてICG停滞率15分値10%以上は9例(53%)であった.腫瘍個数については,単発12例(71%),多発5例(29%)であった.腫瘍マーカーではAFP陽性11例(65%),PIVKA-2陽性15例(88%),両者陽性11例(65%)であった.術後病理組織診断では,組織型は高分化型5例(29%),中分化型7例(42%),低分化型5例(29%)であり,背景は正常肝6例(35%),硬変肝10例(59%),PBC1例(6%)で硬変肝が半数以上を占めていた.非B非C型肝細胞癌の全国集計(2006~2009年)によると全肝細胞癌中非B非C型肝細胞癌の割合は16%であり,その内訳はアルコール性肝障害を基盤としたものが最多で,さらに生活習慣病を合併した症例は肝細胞癌のハイリスク群であるといわれている.症例数は少ないながら当院の非B非C型肝細胞癌手術症例においても,アルコール多飲歴や生活習慣病を合併する割合が高いことから,ハイリスク群に対しては1回/年程度の超音波検査やCT検査などの画像検査を含めた検診を考慮すべきと思われた.
索引用語 非B非C型肝細胞癌, 手術