セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-外科切除 |
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タイトル | 肝P-206:当院におけるNBNC肝細胞癌切除症例の臨床的特徴 |
演者 | 米永 晃子(都立墨東病院・外科) |
共同演者 | 脊山 泰治(都立墨東病院・外科), 松田 真輝(都立墨東病院・外科), 宮田 陽一(都立墨東病院・外科), 稲田 健太郎(都立墨東病院・外科), 高濱 佑己子(都立墨東病院・外科), 真栄城 剛(都立墨東病院・外科), 宮本 幸雄(都立墨東病院・外科), 梅北 信孝(都立墨東病院・外科) |
抄録 | 【目的】近年ウイルス性肝炎を背景としない(NBNC)肝細胞癌(HCC)が増加傾向にあり,注目されている.当院では以前よりNBNC肝癌の比率が多く,飲酒歴がある症例が多かった.今回我々は,NBNC肝細胞癌切除症例を検討することによって,その臨床的特徴を明らかにする.【方法】2001年から2012年の当院肝細胞癌初回切除148例中NBNCの54症例(36.4%)を検討した.性別,腫瘍径,病理,背景肝,アルコール摂取の状況,量,についてそれぞれ分析を行った.【成績】男性87%,平均年齢70歳(42-88歳)であった.そのうち長期の日常的飲酒歴を42例(77%)に認めた.そのうちエタノール換算で評価できたのは17例であり,全国肝癌追跡調査で定めたアルコール多飲歴(エタノール換算86g/day,10年以上)は5例(29%)であった.残り25例は多飲歴ありと記載があっても,エタノール換算できる記録はなかった.肝癌発見経緯は慢性疾患スクリーニング31%,重複癌精査20%,慢性肝障害フォロー中20%,腹痛精査13%が主なものであった.肝障害度はAが85%,ICGR15で20%以下であったものが70%,背景肝はf0-2が67%と,比較的肝機能良好であった.腫瘍は単発が76%,腫瘍径は平均70mm(6-220mm)であり,膨張性発育が84%,中分化型肝細胞癌が63%を占めていた.長期的には3年生存率が67%,5年生存率が45.2%と,通常の肝癌よりもやや悪い傾向にあった.【結論】NBNC肝細胞癌はアルコール性肝障害を背景にしたものも多く,発見時には腫瘍径は大きいが,肝機能も比較的良好であるため,切除適応となるものが多い.一方,治療時に進行していることが多いため,地域や他診療科と協力して早期発見に努める必要がある. |
索引用語 | NBNC肝細胞癌, アルコール性肝障害 |