セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-局所治療1

タイトル 肝P-210:

肝癌要因・焼灼範囲をもとにした肝癌局所療法の検討

演者 武田 忠(公立置賜総合病院・内科)
共同演者 大村 清成(公立置賜総合病院・内科), 齋藤 孝治(公立置賜総合病院・内科), 新澤 陽英(公立置賜総合病院・内科)
抄録 【目的】よりよいRFA適応を考えるため,当院でのRFA成績を検討する.【方法】当院でRFAを施行した肝癌で,CTまたはMRIを含めた検査で残存なしと判定され,焼灼後1年以上経過観察できた352結節を対象.画像的に単純結節型と非単純結節型に分類.治療効果は以下の3群に分類.A群:全体が5mm以上のsafety margin確保,B群:全体にmarginがあるが5mm未満の部分を認める,C群:一部でもmarginがない部分がある.焼灼部位に接して出現したものを局所再発とした.【結果】局所再発は74結節で再発率21.0%.治療効果別の再発率は,A群0%(0/84結節),B群12.4%(18/145),C群45.5%(56/123).腫瘍径を合わせると,2cm未満:A群0%(0/53),B群6.1%(5/82),C群33.3%(13/39).2cm以上3cm未満:A群0%(0/29),B群17.8%(8/45),C群47.2%(25/53).3cm以上:A群0%(0/2),B群27.8%(5/18),C群58.1%(18/31).単純結節型では,A群0%(0/75),B群9.2%(11/119),C群39.0%(32/82).2cm未満9.7% (16/165),2cm以上3cm未満18.9%(18/95),3cm以上56.3%(9/16).2cm以上3cm未満のTACE有無では8.0% vs 22.9%.3cm以上のTACE有無では62.5% vs 50.0%.非単純結節型では,A群0%(0/9),B群26.9%(7/26),C群58.5%(24/41).このうちTACE併用例では,A群0%(0/2),B群0%(0/9),C群51.9%(14/27).【考察】肝癌の大きさや形態,そして局在によってもmargin確保が困難になり局所再発が増加する.今回の結果から以下の治療方針が提案される.単純結節型では,2cm未満はRFA単独でいいがmarginは妥協しない.2cm以上3cm未満はTACE併用RFAで充分な焼灼.3cm以上ではTACE併用でも再発が多く,基本的には肝切除が推奨.非単純結節型では,margin確保が困難なことが多く再発率が高い.肝切除が推奨されるが,肝切除困難例ではmarginが確保できそうならTACE併用RFAを検討.【結語】肝癌の径・形態や局在によりRFA治療効果を予測することで,これまで以上に治療方針のバリエーションが得られると考えられた.
索引用語 肝癌, ラジオ波焼灼療法