セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
原発性肝癌-局所治療1
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タイトル |
肝P-211:3cm3個超多血性肝細胞癌におけるラジオ波焼灼療法の治療成績
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演者 |
狩山 和也(岡山市立市民病院・肝疾患センター) |
共同演者 |
能祖 一裕(岡山市立市民病院・肝疾患センターDELIMITER岡山大大学院・分子肝臓病学), 湧田 暁子(岡山市立市民病院・肝疾患センター), 大西 理乃(岡山市立市民病院・肝疾患センター), 大山 淳史(岡山市立市民病院・肝疾患センター), 西村 守(岡山市立市民病院・肝疾患センター), 東 俊宏(岡山市立市民病院・肝疾患センター) |
抄録 |
【緒言】2001年に肝細胞癌(HCC)に対するラジオ波焼灼療法(RFA)を当院に導入し約12年が経過した.基本的に根治目的にはミラノ基準内,それ以外は姑息的治療として可能な限り適応を絞らずに施行してきた.今回,その中で通常はRFAの適応とならない3cm3個超の多血性肝細胞癌における治療成績について検討を行った.【方法】対象は2001年~2012年に当院にてRFAを導入した3cm3個超多血性HCC130例.背景因子,予後,死因について解析を行いRFA適応について検討した.【結果】初回導入例(N=89)は再発時導入例(N=41)と比較し予後良好な傾向を示した(MST3.8年vs2.1年:p=0.053)が,無再発生存期間では有意差は認めなかった(中央値1.0年vs0.8年).門脈浸潤有無別のMSTは無/有が5.8年/1.6年で門脈浸潤無群が有意に予後良好であり,(p<0.0001),無再発生存期間も中央値1.2年/0.8年と門脈浸潤無群が有意に良好であった(p=0.0018).初回導入例群と再発時導入例群間(平均Child-Pugh 6.7 vs 6.3),また門脈浸潤無群と有群間(平均Child-Pugh 6.4 vs 6.7)とも背景肝予備能に有意差は認めなかった.門脈浸潤無群での個数別予後解析では有意差を認めなかったが(p=0.198),その内訳では肝内転移群と比較し多中心発生群が予後良好であった.死因解析では門脈浸潤無群で癌死が38.5%(10/26)に対し門脈浸潤有群では64.4%(29/45)であった.【まとめ】3cm3個超多血性HCCにおいても門脈浸潤がなく,4個以上であっても,それが多中心性発生による場合RFAは有用である.3cm3個超の多血性HCCでは再発は必発で,繰り返しの治療が必要となってくる.その中でも,門脈浸潤無群はMST5.8年,死因解析でも約6割は癌死以外と比較的良好な予後が得られており,RFAは有用な治療選択肢の一つと考えられた. |
索引用語 |
ラジオ波焼灼療法, 3cm3個超 |