セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-局所治療1

タイトル 肝P-212:

当科における初発肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術後の長期予後の検討

演者 小川 浩司(市立函館病院・消化器病センター消化器内科)
共同演者 木下 賢治(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 山梨 香菜(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 山本 桂子(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 大和 弘明(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 畑中 一映(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 山本 義也(市立函館病院・消化器病センター消化器内科), 成瀬 宏仁(市立函館病院・消化器病センター消化器内科)
抄録 【背景】肝細胞癌に対するラジオ波焼灼術(RFA)は有効な局所治療法であり広く普及しているが,当科におけるRFA後の再発率,予後について検討した.【対象と方法】対象は2000年7月より2012年12月まで当科で加療した初発肝細胞癌462例のうち初回治療としてRFAを施行された113例とした.患者背景は年齢中央値66 (41-86)歳で男性/女性 74/39,HBV/HCV/NBNC 19/67/27であった.背景肝は慢性肝炎/肝硬変 14/99,Child-Pugh A/B 83/30で腫瘍径中央値20 (9-73) mm,20mm以下/21-30mm/31mm以上 49/53/11,個数は1/2/3/4以上 80/22/9/2,Stage I/II/III/IV 47/44/22/0,JIS 0/1/2/3/4/5 32/47/31/3/0/0であった.おもに腫瘍径20mm以上の55例に肝動脈化学塞栓療法(TACE)を併用した.この患者群における再発率および長期予後について検討した(観察期間中央値43ヶ月)であった.【結果】経過中の再発率は1年18%,2年47%,3年57%で無再発生存期間中央値は22カ月であった.再発後の治療は45例(65.2%)に局所治療(手術,RFA,TACE+RFA)が選択され,その他はTACE17例,動注化学療法3例,全身化学療法2例,BSC2例であった.経過中の全生存率は1年99%,2年89%,3年78%,4年65%,5年56%で生存期間中央値は63カ月であった.死因は肝癌進行による肝不全死が28例(51%),肝硬変による肝不全死が15例(27%),他病死が12例(22%)であった.3年生存率はChild Pugh A/Bでは84%/63%(p<0.05)であったが,Stage I/II,IIIでは76%/80%と差を認めず,TACE併用あり/なしでも80%/77%であった.【結語】RFA後も高率に再発を認めたが,その多くは再び局所治療が可能であった.肝予備能は予後に影響していたが,Stageでは予後に差を認めなかった.他病死の関与もあるが,3年/5年生存率78%/56%であった.
索引用語 肝細胞癌, ラジオ波焼灼術