セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-局所治療2

タイトル 肝P-217:

肝細胞癌に対する肝外側副血行路からのB-TACEの有用性

演者 高安 賢太郎(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科)
共同演者 小川 眞広(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 西尾 みどり(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 三浦 隆生(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 塩澤 克彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 阿部 真久(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 松本 直樹(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 中河原 浩史(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 大城 周(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 山本 敏樹(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 田中 直英(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科), 森山 光彦(駿河台日本大病院・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】近年バルーン付きマイクロカテーテルの登場により肝細胞癌に対する肝動脈化学塞栓術においてバルーン閉塞下で施行するBalloon occluded in the trans arterial embolization(B-TACE)が施行されるようになりその有用性が報告されている.本手法の目的の一つにカテーテル先端部から中枢側への薬剤の逆流を防ぐことが挙げられる.したがって肝外副血行路からのTACEの際有用であると思われるが,これまで5Frのみの対応でカテーテルが太く目的の部位まで到達困難となることもあるため安易に施行できなかった.今回カテーテルの改良により4Frの通常の造影カテーテルに対応可能となったため,肝外副血行路からのTACEを施行したのでその有用性を検討したので報告をする.
【方法】全例左上肢アプローチで4Frのカテーテルを使用し血管造影を施行.その後肝外副血行路からの治療に際し外径2.7Frバルーン付きマイクロオクリュージョンカテーテルを挿入しミリプラチン,多孔性ゼラチン粒を用いてTACEを施行した.今回,右下横隔動脈,腰動脈,中副腎動脈からの側副血行路からのTACEを行いその有用性を検討した.
【結果・考察】これまでの2.0Frマイクロカテーテルとほぼ同等のガイドワイヤーの追従性が良くバルーンによると思われる挿入困難な症例は認めず到達可能であった.これまでのマイクロカテーテルと同じ感覚でB-TACEが施行可能で有りTACEの際の選択枝の一つになると考えられた.特に肝外副血行路からの栄養動脈は逆流によりおおきな副作用が発現する可能性があるため動注のみで終了せざる場合もあったがバルーンで閉塞することにより有効なTACEが施行可能であった.本システムの導入によりTACEの選択枝が増えることが予想された.
【結語】バルーン付きマイクロカテーテルの改良により肝外側副血行路からのTACEも安全に施行可能となり今後のTACE治療選択の幅が増えたと考えられた.
索引用語 B-TACE, TACE