セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
原発性肝癌-局所治療3
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タイトル |
肝P-219:肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術を併用した定位放射線治療の有用性に関する検討
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演者 |
城野 智毅(公立八女総合病院・肝臓内科) |
共同演者 |
永松 洋明(公立八女総合病院・肝臓内科), 出口 章広(公立八女総合病院・肝臓内科), 平井 真吾(公立八女総合病院・肝臓内科), 筒井 りな(公立八女総合病院・肝臓内科), 水上 直久(公立八女総合病院・放射線科), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】肝動脈塞栓術(TACE)術後の再発率は他の治療法に比して高いとされる.一方,定位放射線治療(SBRT)は多数の角度から高エネルギーX線を腫瘍に集中して照射する方法であり,良好な局所制御が得られることが報告されている.当院ではTACE後にリピオドールの集積が不良な症例において局所制御率を上げるためにSBRTの追加治療を行っている.今回我々は当院でTACE+SBRT併用療法を行った肝細胞癌症例についてその有効性と安全性について検討した.【対象と方法】対象は2010年から2012年の期間,当院でTACE+SBRT併用療法を施行した肝細胞癌患者16例(平均年齢77.5歳,Child A:B=13:3,stage I:II:III:IV=1:7:5:3,標的病変の最大径(中央値)は30mmである.TACEに使用した抗癌剤はCDDP6例,EPI8例,MPT2例で,これらの薬剤をリピオドールと混和し選択的に投与を行い,通常のTACEを行った.術後の単純CTでリピオドールの集積を確認し,集積が不良であった症例にSBRTを併用した.TACE施行後SBRT開始までの期間(中央値)は7日(2-92日)であった.定位照射はエレクタ社製シナジーを用いて行い,総線量は40-56Gy/5-13frであった.治療効果の判定は照射終了1から3ヶ月後にdynamic CTを施行し,RECIST基準(ver1.1)を用いて判定した.【結果】抗腫瘍効果はCR3例,PR11例,SD3例であり,奏功率は81.2%,病勢制御率は100%であった.SD症例のうち1例が5ヶ月後に異所再発をきたし,ラジオ波治療が施行された.残りのSD症例は6ヶ月後に早期濃染が消失し,CRとなった.治療に伴う合併症として胸水もしくは腹水貯留を6例に認めた.治療前のChild-Pugh scoreの平均値は5.6であったが,治療終了後1ヶ月では5.9,終了後4ヶ月では6.4と徐々に悪化する傾向がみられた.【結論】TACE併用SBRT療法は局所制御率の高い有効な治療法ではあるが,肝予備能の低下には十分に注意する必要があると考えられた. |
索引用語 |
定位放射線治療, TACE |