セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-局所治療3 |
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タイトル | 肝P-220:肝細胞癌に対するサイバーナイフ治療の経験 |
演者 | 大久保 雄介(済生会横浜市東部病院・消化器内科) |
共同演者 | 牧野 博之(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 鈴木 雄太(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 渕之上 和弘(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 馬越 智子(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 佐藤 綾(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 米田 将隆(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 建持 岳史(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 佐藤 真司(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 森 孝之(済生会横浜市東部病院・消化器内科), 山室 渡(済生会横浜市東部病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】肝細胞癌(HCC)に対する局所治療は手術,ラジオ波焼灼療法(RFA),経皮的肝動脈塞栓術(TACE)が中心となってきたが,より低侵襲で手術やRFAに匹敵する局所制御能を有する治療法が望まれてきた. サイバーナイフは1994年にアメリカで開発された新しい定位放射線治療専用機で,病変部へのピンポイントな照射ができ,正常組織への被爆を最小限に抑えられる.2008年に体幹部癌への保険適応が認められ,肝臓癌など呼吸性移動を有する腫瘍に対しても近傍に留置した金マーカーをリアルタイムで追跡しながら照射を行うことが可能である.H23年12月から当院でもHCC治療への導入を開始した. 【方法】HCCの適応症例は,単発5cm以内,多発では3cm以内かつ3個以内とした.肝機能はChild-Pugh分類 8点以下とした. 対象はH23.12月からH24.12月までにサイバーナイフを施行したHCC 44症例60結節.年齢は47-83歳(平均71.5歳),男性31例,女性13例.背景肝はHBV6例,HCV28例,NBNC10例であり,Child-Pugh分類A32例,B12例であった. 腫瘍径は6-50mm(平均19.3mm)で,31例が再発例であった.1結節あたりの総照射線量は20-60Gy(平均53.4Gy),照射回数は1-5回(平均3.0回)で,治療は外来通院不可能な事情のあった2例を除き全例外来で行った. 【成績】治療効果は,肝癌取扱い規約標的結節治療効果度により,治療6ヶ月以内に判定した.現在までに効果判定可能であった30結節のうち,1結節で局所再発を認めたが,29結節ではCRが得られている. 【結語】サイバーナイフ治療はこれまでRFAでは治療困難であった部位,サイズの腫瘍に関しても良好な局所制御が得られており,今後HCC局所治療の新しい選択肢になり得るものと期待される. ただし,実際に本邦で可能となったのはH23年10月からであり,治療効果や安全性の評価にはさらなる検討が必要と思われる.当日さらに症例を蓄積し供覧したい. |
索引用語 | サイバーナイフ, 肝細胞癌 |