共同演者 |
西垣 洋一(岐阜市民病院・消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院・消化器内科), 林 秀樹(岐阜市民病院・消化器内科), 鈴木 祐介(岐阜市民病院・消化器内科), 入谷 壮一(岐阜市民病院・消化器内科), 高木 結衣(岐阜市民病院・消化器内科), 黒部 拓也(岐阜市民病院・消化器内科), 小木曽 富生(岐阜市民病院・消化器内科), 川出 尚史(岐阜市民病院・消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院・消化器内科), 杉山 昭彦(岐阜市民病院・消化器内科), 加藤 則廣(岐阜市民病院・消化器内科), 山田 鉄也(岐阜市民病院・病理検査) |
抄録 |
BCLC staging systemの問題点として,腫瘍の悪性度が考慮されていないことが挙げられる.高分化型肝細胞癌(well-HCC)は,脈管浸潤や肝内転移は見られないことが多く, 経皮的ラジオ波凝固療法(PRFA)でも十分な根治的治療が可能であると考えられる.そこで我々は,PRFAを行ったwell-HCCの治療後の経過について検討を行った.【対象・方法】対象は, 2005年4月から2011年11月の間に, 当科でRFAを行ったwell-HCC(全例病理組織により診断)36例.年齢(歳):74±7(60~87),性別(男/女):25/11,背景肝(C/B/alcohol/NASH):29/2/2/3,肝予備能(Child-Pugh score;5/6/7/8):21/ 8/4/3,腫瘍径(mm):15.6±4.9,腫瘍部位(前区域/後区域/内側区域/外側区域):14/14/4/4,AFP:(<20/20~100/≧100ng/ mL):23/8/5, L3分画(<10/≧10%):33/3, PIVKA-2(<40/≧40mAU/mL):32/4.RFAはすべてエコーガイド下に, cool-tip needleを用いて行った.【結果】1.累積再発率:1年33.3%,3年55.1%,5年71.1%.局所再発は見られなかった.2.累積生存率:1年100%, 3年92.3%,5年59.3%.3.初回再発腫瘍の部位:同区域10%,他区域90%.4.腫瘍のvascularity(多血性腫瘍の割合):治療前25%,初回再発65%,2回目再発68.8%,3回目再発67%.5.腫瘍マーカーの推移(初回再発時):AFP(<10/10~100/≧100ng/ml);治療前11/6/3,初回再発7/9/4,L3分画(<10/≧10%);治療前18/2,初回再発14/6,PIVKA-2(<40/≧40mAU/mL); 治療前17/3,初回再発時13/7.6.Child-Pugh scoreの推移(初回再発時):治療前5.90±1.02,初回再発時5.95±1.09.【結語】well-HCCに対するPRFAは,局所再発を認めず十分な根治性があり,第1選択とすべき治療法である.肝切除は悪性度の高い腫瘍出現時のために温存したほうが良いと思われた. |