セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-局所治療4

タイトル 肝P-226:

初発肝がんに対するRFA治療の悪性度による違い

演者 中山 康弘(山梨大附属病院・消化器内科(1内科))
共同演者 坂本 穣(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 倉富 夏彦(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 佐藤 光明(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 小松 信俊(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 辰巳 明久(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 三浦 美香(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 進藤 邦明(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 雨宮 史武(市立甲府病院・消化器内科), 井上 大輔(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 前川 伸哉(山梨大附属病院・消化器内科(1内科)), 榎本 信幸(山梨大附属病院・消化器内科(1内科))
抄録 【目的】ラジオ波焼灼術(RFA)は治療法が確立した現在でも局所再発を来すことがあり,腫瘍の悪性度の観点から適応を判断し治療法を工夫する必要がある.【対象と方法】 2008年1月から2011年12月までに当科に入院した初発肝細胞癌268例中初回治療としてRFAが選択された131例204結節(平均観察期間32カ月)を対象として局所再発群(LR群)と無再発群(NR群)を比較し,局所再発を腫瘍の悪性度(DCP高値,AFP-L3高値,MRI-DWI高信号,肉眼形態)とマージンの観点で評価した.肉眼形態は画像検査から総合的に判断した.【結果】1) RFA後の局所再発は131例中15例(11%),204結節中18結節(9%)で,再発までの期間は最短で5ヶ月,最長で56ヶ月.2) LR群の結節平均径は22±9mmでNR群と同様(18±7mm)だが,平均腫瘍数2.6個はNR群2.2個よりも多い.3)LR群の平均AFP/ AFP-L3 /DCP=20±22/2±3 /177±172でNR群と比しDCPがより高値で,また2項目以上陽性である割合はLR群で46%でNR群の16%よりも高かった.4)LR群は全例で動脈濃染を認め,造影エコーKupffer相で低エコー/EOB-MRI肝細胞相で低信号.逆にNR群に乏血性腫瘍を36結節認めたが,つまり乏血性腫瘍は1例も局所再発を認めず,うち7例のマージンは不十分であった.5) LR群の肉眼形で多結節癒合型が2例.NR群は多結節癒合型が4例,単純結節周囲増殖型が1例.LR群はMRIのDWIで極めて高信号を11結節(61%)で認めNR群の11結節(5.9%)よりも高率であった.以前の検討でマージンの広さが局所再発に関与すると報告したが,DWI高信号で再発した11例のうち,5例は充分なマージンが得られていた.【結論】多発例,DCP高値例,腫瘍マーカー複数陽性例は再発の危険が高い.特にDWI高信号例は十分なマージンであっても再発の危険が高い.逆に濃染を認めない結節はマージンによらず局所再発を来しがたく,多少大きくても積極的なRFA治療を考えても良い.
索引用語 肝細胞がん, RFA