セッション情報 |
ポスターセッション(肝臓学会)
原発性肝癌-局所治療4
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タイトル |
肝P-227:造影超音波によるRFA焼灼範囲の予測
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演者 |
池原 孝(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
共同演者 |
松清 靖(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 松井 哲平(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 渡邉 学(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 石井 耕司(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】HCCにRFAを行うとき,同じ電極や焼灼方法でも症例によって焼灼範囲が異なり,予想より狭くなり治療が不十分なことがある.Sonazoid造影超音波後血管相で高音圧超音波照射時に肝実質内micro bubble(MB)が崩壊する距離によってRFA焼灼範囲が予測可能か検討した.【対象】2008年1月~2013年2月Cool-tip20 mm電極1回穿刺でRFAされたHCC57例63病変.背景肝はHCV/HBV/アルコール/AIHが47/8/1/1,Child-Pugh A/B/Cが40/17/0例.腫瘍径14±2mm.【方法】超音波装置は東芝AplioXG,3.75MHzコンベックス型プローブ.超音波造影剤Sonazoid0.015ml/kgを肘静脈からbolus静注.装置条件はpulse subtraction harmonic imaging modeに設定.RFA前肝右葉を肋間走査で描出,Sonazoid投与10分後の後血管相を観察.画面サイズは肝右葉全て描出できるように調整しfocus pointは6cmに設定.flash-replenishment sequenceの条件はmechanical index1.6,beam送信数30回.超音波スキャンボリューム内MBを崩壊させ肝表面からのMB崩壊距離を測定.RFAを行い治療7日後のCT造影早期相の焼灼断面画像から焼灼体積を計算,焼灼横径(穿刺方向に対し垂直方向の径)も測定し,MB崩壊距離と比較検討した. 更に線維化マーカーとMB崩壊距離も比較した.【結果】MB崩壊距離と焼灼体積・横径には有意な負の相関(P<0.01)があり,MB崩壊距離が深くなるに従いRFA焼灼体積は小さく焼灼横径は短くなった.またMB崩壊距離と4型コラーゲン7Sに有意な正の相関(P<0.01)を認めた.【考察】慢性肝疾患に伴う肝内血管床減少により肝実質内灌流血液の多寡が個々のMBの差異を規定し,それを左右する一因が線維化であると考えられた.MB崩壊距離が長く肝実質内MBが少ない場合,灌流血液が少なく熱を加えると乾燥しやすいため焼灼範囲が狭くなると推察する.【結語】MB崩壊距離からRFA焼灼範囲の予測は可能であり,事前にdeviceや焼灼方法の変更等の対応ができるので,RFA治療支援に有用と考えられる. |
索引用語 |
MB崩壊距離, RFA |