セッション情報 | ポスターセッション(肝臓学会)原発性肝癌-分子標的治療1 |
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タイトル | 肝P-230:進行肝細胞癌に対する当院でのソラフェニブの使用経験 |
演者 | 保田 和毅(国立呉医療センター・消化器科) |
共同演者 | 河野 博孝(国立呉医療センター・消化器科), 山下 賢(国立呉医療センター・消化器科), 檜山 雄一(国立呉医療センター・消化器科), 水本 健(国立呉医療センター・消化器科), 木村 治紀(国立呉医療センター・消化器科), 山口 敏紀(国立呉医療センター・消化器科), 山口 厚(国立呉医療センター・消化器科), 桑井 寿雄(国立呉医療センター・消化器科), 高野 弘嗣(国立呉医療センター・消化器科) |
抄録 | 【目的】ソラフェニブは,2つのランダム化比較試験において明らかな延命効果が証明され,現在進行肝細胞癌の標準的治療となっている.日本でも2009年5月に切除不能の肝細胞癌に対し保険適応となり,多くの患者に対し投与され始めてきている.今回,進行肝細胞癌に対する当院でのソラフェニブの使用経験について検証した.【方法】2009年5月以降当院にてソラフェニブを導入した24症例の患者背景,治療期間,治療効果,副作用につき検討した.【成績】男性16例,女性8例,平均年齢は78歳であった.背景肝はHBV5例,HCV13例,NBNC6例であった.門脈浸潤は5例,遠隔転移は14例に認められた.投与期間は4~610日(中央値94日),1日投与量は156~800mg(中央値400mg),初回投与量は800mgが4例,600mgが3例,400mgが16例,200mgが1例であり,副作用の出現などにより適宜増減を行った.30日以上投与した17例ではCR,PRは0例,SDは8例,PDは9例であった.MSTは10.2ヶ月,1年生存率は36.4%であった.SD群,PD群のMSTはそれぞれ12.8ヶ月,5.7ヶ月であり,SD群は有意差をもって生存期間の延長を認めた.有害事象としては下痢,手足症候群などが多く認められ,Grade3以上の有害事象としては下痢,皮疹を認めた.なお,初回投与量を600mg以上投与群,400mg以下投与群で検討したところ,平均年齢はそれぞれ71.6歳,76.1歳,平均投与期間はそれぞれ95.9±100日,118±104日であった.治療効果に関しては600mg以上投与群ではSD1例,PD4例,400mg以下投与群ではSD7例,PD5例であった.【結論】初回投与量を検討した結果,当院では高齢であれば初回投与量を少なめに設定し導入していた.600mg以上投与群では減量,中止にいたることが多く,また400mg以下投与群と比較し治療効果に大きな差を認めなかった.症例数が少なく,今後さらなる検討が必要と思われるが,初期投与量を少なめに設定し長期にわたって投与することが有効であると考えられる. |
索引用語 | 進行肝細胞癌, ネクサバール |